自動車保険のロードサービス比較|レッカー距離と等級への影響・主要5社の付帯内容【2026年】

自動車保険のロードサービスは、いま主要各社に無料で自動付帯されており、使っても等級は下がりません。レッカーは提携工場までなら距離無制限、希望の工場までは50〜150kmと会社差があります。JAFの2025年度データでは出動理由の43.17%がバッテリー上がりでした。

この記事でわかること

  • ロードサービスを使っても翌年の等級は下がらない理由と、下がる場合との境目
  • 主要5社のレッカー無料距離を公式表記のまま一覧化(50km〜距離無制限)
  • JAFの出動データで見る一般道と高速道路でトラブルの中身が入れ替わる事実
  • JAF会費・カード付帯・保険付帯の三重加入が無駄になる条件
  • レッカー距離を比べる意味がある人・比べても差が出ない人の判断軸

公的情報源: JAF「よくあるロードサービス出動理由」(参照)/損害保険料率算出機構(参照

結論から

自動車保険のロードサービスは、契約に無料で付いてくる「保険ではないサービス」です。保険金の支払いではないため、使っても翌年の等級には影響しません。ここは各社が公式FAQで明言しています。

比較で差が出るのは、レッカーの無料距離と費用サポートの2点だけ。バッテリー上がりやパンクの現場作業は、どの会社でも無料でほぼ横並びです。

そして距離の差が効く場面は限られています。JAFの2025年度データでは、一般道の1位はバッテリー上がり(35.73%)なのに、高速道路の1位はタイヤのパンク(44.02%)。トラブルの中身が路線で入れ替わります。距離が要るのは主に高速側です。

この記事の要点
  • ロードサービスの利用だけならノンフリート等級はダウンしない(各社公式FAQで明記)
  • 提携工場までのレッカーは5社とも距離無制限。差が出るのは希望の工場まで運ぶ場合
  • 希望工場までの無料距離はSBI損保50km〜アクサダイレクト150kmと3倍の開き
  • JAF出動理由の43.17%はバッテリー上がり=距離ではなく現場作業で終わるトラブル
  • 高速道路ではパンクが44.02%で1位。長距離移動が多い人ほど距離条件が効く

ロードサービスの中身は保険料に含まれています。同じ補償条件で各社を並べると、付帯内容と保険料の差が同時に見えます。

目次

自動車保険のロードサービスとは

自動車保険のロードサービスとは、事故や故障で車が動かなくなったときに、レッカー移動や現場での応急作業を無料で受けられる付帯サービスです。

保険金を支払う「補償」ではなく、契約者向けの「サービス」という位置づけになります。この区別が、後で出てくる等級の話にそのまま効いてきます

ロードサービスに含まれる主な内容(2026年8月時点・各社公式サイト表記)

区分内容一般的な扱い
レッカー自力走行できない車の搬送提携工場まで距離無制限が主流
現場作業バッテリー上がり・パンク・キー閉じ込み・ガス欠30分程度の作業は無料
宿泊費用帰宅困難時の1泊分搭乗者全員分・ビジネスホテルクラス
帰宅費用現場から自宅までの交通費搭乗者全員分
車両引取り費用修理後の車を引き取る費用上限額つき(アクサは50,000円)

現場作業は無料でも、部品代は別です。パンクならスペアタイヤへの交換作業は無料ですが、タイヤそのものの代金は自己負担になります。バッテリー交換も同じ考え方です。

ロードサービスはレッカー・現場作業・費用サポートの3系統に分かれ、部品代は自己負担になる。
図:無料なのは作業まで。タイヤやバッテリー本体などの部品代は自己負担になる

補償そのものの全体像は自動車保険の補償内容を完全解説で整理しています。

自動車保険のロードサービスを使うと等級は下がるのか

下がりません。ロードサービスの利用は保険金の支払いにあたらないため、翌年のノンフリート等級には影響しないというのが各社共通の扱いです。

各社の公式FAQでは、2026年8月時点で次のように案内されています。

  • ソニー損保:保険契約とは別に提供するサービスのため、ノンフリート等級への影響はない
  • チューリッヒ:無料で提供するサービスのため、翌年の等級に影響はない
  • SBI損保:ロードサービスを利用しただけであれば翌年度の等級は下がらない
  • 三井ダイレクト損保:ロードサービスのみの利用はノンフリート等級がダウンしない

出典: ソニー損保 よくある質問チューリッヒ スーパー自動車保険

ただし「同時に保険を使った」場合は別

境目はここです。レッカーで運んだ先の修理費を車両保険で支払えば、それは保険の使用にあたります。等級が下がるのはロードサービスではなく、車両保険や対物賠償を使ったほうです。

  • レッカーだけ使い、修理は自費:等級は据え置き。翌年も1つ上がる
  • レッカー+車両保険で修理:単独事故なら3等級ダウン(事故有係数期間3年)
  • レッカー+対物賠償を使用:3等級ダウン。相手への賠償が発生した場合

つまり判断すべきは「ロードサービスを呼ぶかどうか」ではなく、そのあと保険を使うかどうかです。修理費が小さいときは自費のほうが得になる場面があります。損得の分かれ目は3等級ダウンで保険料はいくら上がるかで計算しています。

主要5社の自動車保険のロードサービスを比較|レッカー距離と費用サポート

比較すべきはレッカーの無料距離です。現場作業の内容はほぼ横並びで、差がつきません。

レッカー無料距離の比較(2026年8月時点・各社公式サイト表記)

保険会社保険会社の提携・指定工場まで契約者が希望する工場まで
アクサダイレクト距離の制限なし150kmまで
ソニー損保距離の制限なし100kmまで(超過分は1kmにつき400円・税別)
三井ダイレクト損保無制限100km(JAF会員は120km)
チューリッヒ距離の制限なし(事故の際のみ利用可)100kmまで
SBI損保距離の制限なし50kmまで(プレミアムサービスは150km)

出典: アクサダイレクトソニー損保三井ダイレクト損保SBI損保

提携工場までは5社とも距離無制限で、希望工場までは50kmから150kmと会社差がある。
図:提携工場でよければ5社に差はない。差が出るのは行きつけの工場に運ぶ場合(2026年8月時点・各社公式)

見落としやすい3つの条件

  • 提携工場まではどこも距離無制限:5社とも同じ。差が出るのは「行きつけの工場に運びたい」場合だけ
  • チューリッヒの距離無制限は事故のときのみ:故障で指定修理工場へ運ぶ場合は対象外と明記されています
  • 事前連絡が条件になる会社がある:SBI損保は専用ホットラインへの事前連絡がないと無料サービスを受けられないと案内しています

三井ダイレクト損保にはJAF会員なら120kmまで伸びるという扱いもあります。JAFの対象距離20kmと保険会社の100kmを合算する仕組みです。電気自動車の電欠については、提携・希望を問わず充電スポットまで距離無制限としています。

レッカー距離は保険料に上乗せされているわけではなく、会社ごとの標準仕様です。同じ補償で見積もると、付帯サービスの差が実質的な差額として見えます。

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出動理由の実データ|一般道と高速道路でトラブルの中身は逆転する

ここが比較の前提を変える部分です。JAFの2025年度(2025年4月〜2026年3月累計)の出動理由を見ると、走る場所でトラブルの構成が入れ替わります。

四輪車の出動理由 上位3件(2025年度累計・JAF)

順位一般道路(件数・構成比)高速道路(件数・構成比)
1位過放電バッテリー 769,024件・35.73%タイヤのパンク等 26,985件・44.02%
2位タイヤのパンク等 442,300件・20.55%燃料切れ 5,285件・8.62%
3位劣化/破損バッテリー 195,717件・9.09%事故 4,777件・7.79%

出典: JAF「よくあるロードサービス出動理由」

一般道ではバッテリー関連が1位と3位を占め、合計で44.82%。ところが高速道路では上位3件にバッテリーが入らず、パンクだけで44.02%を占めます。

一般道の出動理由1位は過放電バッテリーで35.73%、高速道路の1位はタイヤのパンクで44.02%と逆転する。
図:一般道はバッテリー、高速はパンクが1位。距離条件が実額に変わるのは高速側(JAF・2025年4月〜2026年3月累計)

この差が意味すること

バッテリー上がりは、その場でジャンピングして終わります。レッカーの距離は関係ありません。一方、高速道路でのパンクや事故は、その場で直せずに搬送になる確率が高いトラブルです。

しかも高速道路は自宅から離れた場所で起きます。だから「行きつけの工場まで運びたい」という需要が発生し、無料距離の差が実際の自己負担に変わります。

ソニー損保の超過料金は1kmにつき400円(税別)。SBI損保の50kmとアクサダイレクトの150kmでは100kmの差があり、この単価で換算すると4万円前後の自己負担差が生まれる計算になります。

読み替え方

  1. 通勤・買い物中心で行動範囲が狭い人は、距離条件の差はほぼ体感しない
  2. 高速道路での長距離移動が多い人は、希望工場までの距離条件が実額に効く
  3. 行きつけの整備工場にこだわらない人は、5社とも距離無制限なので差は消える

3番目が見落とされがちです。提携工場でよいと割り切れるなら、レッカー距離の比較そのものが不要になります。

JAF・クレジットカード・自動車保険のロードサービスはどう重なるか

三重に加入している人が少なくありません。整理すると、重なる部分と重ならない部分がはっきり分かれます。

3つのロードサービスの性質の違い

項目自動車保険付帯JAFカード付帯
対象契約した車会員本人(どの車でも)カード会員(内容は発行会社による)
費用保険料に込み年会費4,000円・入会金2,000円カード年会費に込み
会員以外の車対象外借りた車・他人の車でも利用可発行会社による
利用回数会社により制限あり制限なし発行会社による

自動車保険は「車」に、JAFは「人」に付きます。この違いが重複を無駄にするかどうかの分かれ目です。

JAFを解約してよい人・残したほうがよい人

  • 解約を検討できる人:自分の車しか運転しない/年に1度もトラブルがない/保険の付帯内容で足りている
  • 残したほうがよい人:レンタカーや家族の車をよく運転する/車が古くトラブル頻度が高い/燃料切れなど回数制限のある項目を使いそう

回数制限は見落としやすい点です。アクサダイレクトはバッテリー上がりが保険期間中2回まで、ガス欠の燃料補給は1回のみと定めています。保険付帯だけに寄せると、2回目・3回目で有料になる場面が出てきます。

三井ダイレクト損保のようにJAF会員だと距離が伸びる会社もあり、併用に意味が出るケースもあります。

ロードサービスで自動車保険を選ぶべき人・そうでない人

ロードサービスは保険選びの決め手にはなりにくい項目です。理由は、提携工場までなら5社とも距離無制限で差がないからです。

ロードサービスを比較の軸にする価値がある人

  • 高速道路の長距離移動が多い:搬送になる確率が高く、距離条件が実額に直結する
  • 行きつけの整備工場が決まっている:希望工場までの無料距離が効いてくる
  • 車が古い・走行距離が多い:故障頻度が高く、回数制限や作業範囲の差が出やすい
  • 遠方への帰省が定例:宿泊費・帰宅費用のサポート範囲が意味を持つ

保険料や補償内容を優先したほうがよい人

  • 行動範囲が生活圏内:レッカーが長距離になる場面がほぼ起きない
  • 提携工場で構わない:距離無制限が適用されるので比較の意味が薄い
  • JAFに継続加入している:付帯内容の薄さを会員サービスで補える
  • 新車・高年式車:故障によるトラブル自体が起きにくい

優先順位としては、対人・対物賠償と人身傷害の設計が先です。ロードサービスは同等の補償・同等の保険料で並んだときの決め手という位置づけが現実的だと考えられます。

補償の優先順位の付け方は自動車保険の選び方ガイドで整理しています。

同じ補償条件で各社を並べると、保険料とロードサービスの内容を一度に比較できます。乗り換えの検討は満期の1〜2か月前が動きやすいタイミングです。

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よくある質問

自動車保険のロードサービスについて、検索の多い質問を整理します。

Q1:自動車保険のロードサービスを使うと等級は下がりますか?

下がりません。ロードサービスは保険金の支払いではなく契約者向けのサービスのため、ノンフリート等級には影響しないと各社が公式FAQで明記しています。ただしレッカーで運んだ先の修理費を車両保険で支払えば、それは保険の使用にあたり3等級ダウンになります。

Q2:自動車保険のロードサービスは有料ですか?

主要各社では保険に無料で自動付帯されており、別途の追加保険料はかかりません。ただし無料の範囲を超えた場合は自己負担になります。レッカーの無料距離を超えた分、部品代(タイヤ・バッテリー本体)、30分を超える特殊作業などが該当します。

Q3:レッカーの無料距離はどのくらい必要ですか?

行きつけの工場に運びたいかどうかで変わります。保険会社の提携工場でよければ5社とも距離無制限なので、距離を比べる必要はありません。希望の工場まで運びたい場合は50〜150kmと会社差があり、高速道路での長距離移動が多い人ほど長いほうが有利です。

Q4:JAFに入っていれば自動車保険のロードサービスは不要ですか?

不要にはなりません。JAFは会員本人に付くため借りた車でも使えますが、自動車保険の付帯サービスは契約車両に付くもので、レッカー距離や費用サポートの範囲が異なります。三井ダイレクト損保のようにJAF会員だと無料距離が120kmまで伸びる会社もあり、併用で有利になる場合があります。

Q5:ロードサービスで一番多いトラブルは何ですか?

バッテリー上がりです。JAFの2025年度(2025年4月〜2026年3月累計)の出動理由では997,116件・43.17%を占めて1位でした。2位はタイヤのパンク・バースト・エアー圧不足で482,696件・20.90%です。ただし高速道路に限るとパンクが44.02%で1位になり、順位が入れ替わります。

Q6:ロードサービスの利用回数に制限はありますか?

会社と項目によります。アクサダイレクトはバッテリー上がりが保険期間中2回まで、ガス欠の燃料補給は1回のみと定めており、それ以外のサービスは原則回数制限なしとしています。制限の有無は各社の利用規約に明記されているため、契約前に確認してください。

Q7:故障でもロードサービスは使えますか?

多くの会社で事故・故障の両方が対象です。ただし条件に差があります。チューリッヒは指定修理工場への距離無制限けん引を事故の際のみと明記しており、故障の場合は希望工場と同じ100kmまでの扱いになります。故障時の適用条件は会社ごとに確認が必要です。

まとめ:距離を比べる前に「どこに運びたいか」を決める

自動車保険のロードサービスについて、要点を整理します。

この記事のまとめ
  • ロードサービスの利用だけなら等級は下がらない。下がるのは車両保険や対物賠償を使ったとき
  • 提携工場までのレッカーは主要5社とも距離無制限で差がない
  • 差が出るのは希望工場まで運ぶ場合で、SBI損保50km〜アクサダイレクト150km
  • JAF出動理由の43.17%はバッテリー上がり=現場作業で終わり距離は効かない
  • 高速道路ではパンクが44.02%で1位。長距離移動が多い人ほど距離条件が実額に変わる
  • JAFは「人」・保険付帯は「車」に付く。他人の車を運転するならJAFの併用に意味がある

比較の順番を間違えないことが要点です。距離を並べる前に、トラブル時に提携工場でよいか、行きつけに運びたいかを決めてください。前者なら5社に差はなく、保険料と補償内容で選べます。

そのうえで高速道路の利用が多いなら、希望工場までの距離条件を見る価値があります。走り方によって、見るべき項目が変わります。

ロードサービスの内容は保険料に含まれています。補償を揃えて並べれば、付帯サービスの差が実質的な価値の差として比較できます。

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免責事項

※本記事は公開情報をもとにした整理です。ロードサービスの内容・無料距離・利用条件・回数制限は保険会社および契約プランにより異なり、改定されることがあります。最終的な契約・申込の判断は、各社の約款・重要事項説明書およびロードサービス利用規約の最新情報をご確認のうえ行ってください。


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この記事を書いた人

家族でヴォクシーに乗っている、ごく普通の会社員のSaitoです。きっかけは、夜の高速道路で追突された事故でした。保険会社のフリーダイヤルに、15分間つながらなかった。あの時間の長さで、保険は契約書のスペックではなく、いざという場面での対応力で選ぶものだと痛感しました。

それから、主要な自動車保険を10社以上、実際に契約しては乗り換えて、対応を比べてきました。CMで見る「満足度が高い」という数字と、夜間のオペレーターやレッカー手配の速さは、必ずしも一致しません。このサイトでは、事故対応やロードサービス、弁護士特約の使いどころなど、カタログでは分からない部分を、家族を持つドライバーの目線でまとめています。

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