ファミリーバイク特約とは、自動車保険に付けて総排気量125cc以下の原付を補償する特約です。使っても等級が下がらないノーカウント事故として扱われます。2025年4月1日に始まった新基準原付も125cc以下なら対象。ただし自分のバイクの修理代とロードサービスは補償されません。
この記事でわかること
- 2025年4月に始まった新基準原付がファミリーバイク特約の対象になるかという判定基準
- 自損傷害型と人身傷害型で何が変わるのか(定額払いか実損払いか)
- 使っても等級が下がらない仕組みと、それがバイク保険との最大の差になる理由
- 公式に明記されている対象外の落とし穴(側車付二輪・自分のバイクの修理代・ロードサービス)
- バイク保険と特約の損得が入れ替わる条件を等級の進み方から考える
公的情報源: 警察庁「一般原動機付自転車の車両区分の見直しについて」(参照)/国土交通省「原動機付自転車の区分を見直します」(参照)
結論から
ファミリーバイク特約の最大の価値は保険料の安さではありません。使っても翌年の等級が下がらない「ノーカウント事故」扱いである点です。ここがバイク保険との決定的な違いになります。
判定基準もシンプルです。免許の区分ではなく総排気量125cc以下かどうかで決まります。2025年4月1日から始まった新基準原付も、従来の原付二種も、どちらも125cc以下なので対象に入ります。
一方で、公式に明記された対象外があります。自分のバイクの修理代、ロードサービス、そして側車付二輪車。「バイク保険の下位互換」ではなく、補償の範囲そのものが違う別物という理解が要ります。
- 対象は総排気量125cc以下。台数制限がなく、借りたバイクも対象になる
- 使ってもノーカウント事故で等級は下がらない(各社公式に明記)
- 2025年4月1日施行の新基準原付も125cc以下なので対象に含まれる
- 補償されないのは自分のバイクの修理代・ロードサービス・側車付二輪
- タイプは自損傷害型(定額)と人身傷害型(実損)の2系統が基本
特約を付けたときの保険料は、車の契約条件によって変わります。実額は見積もりで並べるのが確実です。
ファミリーバイク特約とは
ファミリーバイク特約とは、自動車保険に付けることで、総排気量125cc以下の原付バイクを運転中の事故を補償する特約です。保険会社によっては「原付特約」とも呼ばれます。
車の保険に付ける形なので、バイク単体では加入できません。車の契約が前提になります。
対象になるバイクと対象になる人(2026年8月時点・各社公式表記)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象車種 | 総排気量125cc以下の二輪車、総排気量50cc以下の三輪以上の車 |
| 台数 | 制限なし。家に何台あってもすべて対象 |
| 所有 | 借りたバイクも対象になる会社が多い |
| 電動キックボード | 特定小型原動機付自転車も対象とする会社がある |
| 対象となる人 | 記名被保険者本人/配偶者/同居の親族/別居の未婚の子 |
| 年齢条件 | 車の契約の年齢条件は適用されない |
年齢条件が効かない点は見逃せません。車の保険を「35歳以上補償」にしていても、18歳の子が原付に乗る場合まで補償されるのがこの特約の設計です。若い家族がいる世帯では、ここが実質的な価値になります。

車の契約側の年齢条件の考え方は自動車保険が安くなる年齢は何歳かで整理しています。
2025年の新基準原付はファミリーバイク特約の対象になるのか
対象になります。ファミリーバイク特約の判定は免許の区分ではなく総排気量で行うため、新基準原付も125cc以下であれば従来どおり含まれます。
新基準原付とは何が変わった制度か
警察庁は令和7年(2025年)4月1日から、一般原動機付自転車の車両区分を見直しました。従来の総排気量50cc以下に加えて、総排気量125cc以下の二輪車であって最高出力が4.0キロワット以下のものが、原付免許で運転できるようになっています。
背景は排出ガス規制の強化です。50ccエンジンの開発が難しくなったため、排気量ではなく出力で区分する方式に切り替えられました。国土交通省も道路運送車両法施行規則を改正し、両制度の整合を取っています。
混同しやすい3つの区分の違い
| 区分 | 排気量・出力 | 必要な免許 | ファミリーバイク特約 |
|---|---|---|---|
| 従来の原付一種 | 50cc以下 | 原付免許・普通自動車免許 | 対象 |
| 新基準原付 | 125cc以下かつ最高出力4.0kW以下 | 原付免許・普通自動車免許 | 対象 |
| 原付二種 | 50cc超125cc以下(出力制限なし) | 小型限定普通二輪免許以上 | 対象 |

注意点はここです。新基準原付と原付二種は見た目が同じ110cc・125ccの車体でも、必要な免許が違います。出力が4.0kWを超える車体を原付免許で運転すれば無免許運転になります。
一方、ファミリーバイク特約から見れば3区分とも同じ扱いです。保険の心配より、免許区分の確認のほうが先に来るというのが、この制度変更で押さえるべき順序になります。
ファミリーバイク特約の補償タイプ|自損傷害型と人身傷害型の違い
タイプは大きく2系統です。相手への賠償はどちらでも補償され、違うのは自分のケガの扱いです。
2つのタイプで変わる補償内容
| 項目 | 自損傷害型 | 人身傷害型 |
|---|---|---|
| 相手への賠償(対人・対物) | 補償される | 補償される |
| 自分のケガ | 定額でお支払い | 実際の損害額でお支払い |
| 相手がいない単独事故 | 補償される | 補償される |
| 相手に過失がある事故での自分のケガ | 自賠責等で補償される範囲まで | 過失割合に関係なく実損を補償 |
| 保険料 | 安い | 高い |
出典: おとなの自動車保険
自損傷害型は「相手がいない単独事故や、相手方に過失がなく自賠責保険などで補償が受けられない場合に定額で支払う」設計です。人身傷害型は「治療費、働けない間の収入、精神的損害などを実際の損害額で支払う」形になります。
三井ダイレクト損保のように、賠償のみ・賠償+自損・賠償+人傷の3タイプを用意している会社もあります。名称は各社で異なるため、タイプ名ではなく「自分のケガが定額か実損か」で見比べるのが確実です。
どちらを選ぶかの目安
- 通勤・通学で毎日乗る:走行時間が長いほど人身傷害型の価値が上がる
- 働けない期間の収入減が痛い:休業損害が実損で出る人身傷害型を選ぶ
- 週末に近所を走る程度:自損傷害型で保険料を抑える判断も成り立つ
人身傷害の考え方そのものは人身傷害補償保険とはで詳しく解説しています。
タイプごとの保険料差は、車の契約条件によって変わります。同じ条件で各社を並べると、特約込みの総額で比較できます。
特約を付けた場合の保険料を各社まとめて試算する(PR)詳細はリンク先をご確認ください
ファミリーバイク特約の5つのデメリット
安いだけの特約ではありません。落とすものがはっきりしています。
- 自分のバイクの修理代が出ない
- ロードサービスが使えない
- 等級割引が育たない
- 単独では加入できない
- 側車付二輪車は対象外
1. 自分のバイクの修理代が出ない
おとなの自動車保険は「ご自身のバイクについての損害は、ファミリーバイク特約では補償されません」と明記しています。車で言う車両保険にあたる部分がない、と考えてください。
転倒してカウルが割れても自己負担です。車体価格が高い125ccを新車で買った場合、この穴は小さくありません。
2. ロードサービスが使えない
こちらも各社が明記しています。おとなの自動車保険は「いずれのタイプも、ロードアシスタンスの対象にはなりません」、三井ダイレクト損保は「ロードサービスは対象外となります」としています。
バイクはガス欠やパンクが起きやすい乗り物です。JAFの2025年度データでは、二輪車の一般道での出動理由1位は過放電バッテリー(20,536件・21.91%)、2位がタイヤのパンク等(13,140件・14.02%)でした。
3. 等級割引が育たない
長期的に効いてくる点です。ファミリーバイク特約は自動車保険の付帯なので、バイク単体の等級が進みません。
バイク保険なら無事故で等級が上がり、年々割引率が高まります。特約は毎年ほぼ同じ料率のままです。乗り続ける年数が長いほど、バイク保険側が追いついてくる構造になっています。
4. 単独では加入できない
車の保険が前提です。車を手放せば特約も消えます。車を売却して原付だけ残す予定があるなら、最初からバイク保険を選ぶほうが手間がありません。
5. 側車付二輪車は対象外
見落とされやすい条件です。三井ダイレクト損保は「総排気量が50cc超125cc以下の側車付二輪自動車」を対象外と明記しています。サイドカー付きの車体を検討している場合は、契約前の確認が要ります。
ファミリーバイク特約とバイク保険はどちらが得か
金額だけでは決まりません。判断の軸は3つあります。
損得を分ける3つの軸
| 軸 | ファミリーバイク特約が有利 | バイク保険が有利 |
|---|---|---|
| 等級 | バイク保険の等級が低い(新規6等級) | 等級が進んでいる(無事故を継続) |
| 年齢 | 若い運転者がいる(年齢条件が効かない) | 年齢が高く年齢条件割引を使える |
| 台数 | 家に複数台ある | 1台のみ |
ここに、先ほどの「補償されないもの」が乗ります。車両の修理代とロードサービスが要るなら、価格差に関係なくバイク保険側という判断になります。
等級が入れ替わりを起こす仕組み
バイク保険は新規6等級から始まり、無事故なら毎年1等級ずつ上がります。20等級まで進めば割引率は大きくなります。
対してファミリーバイク特約は、車の等級が上がっても特約部分の料率が同じように下がるわけではありません。「今は特約が安い」は、乗り続けると逆転しうるという前提で考えてください。
ただし逆転を打ち消す要素もあります。バイク保険を使えば等級が下がるのに対し、ファミリーバイク特約はノーカウント事故で等級が下がりません。事故を起こした場合の影響は特約のほうが小さくなります。
等級の進み方そのものは自動車保険の等級制度 完全ガイドで確認できます。
ファミリーバイク特約が向いている人・向いていない人
判断を分けるのは、乗る年数と車体の価値です。
ファミリーバイク特約が向いている人
- 家族が原付に乗り始めた:年齢条件が効かないので若い運転者ほど有利
- 家に原付が複数台ある:台数制限がなく、まとめて対象になる
- 数年だけ乗る予定:等級を育てる時間がないなら定額のほうが読みやすい
- 車体が中古・低価格:修理代が出なくても自己負担で吸収できる
- すでに自動車保険を契約している:手続きが特約の追加だけで済む
バイク保険を検討したほうがよい人
- 125ccを新車で買った:車両保険にあたる補償がないため損害を吸収しにくい
- 通勤で毎日長距離を走る:ロードサービスが付かない不便が実際に出る
- 10年以上乗る予定:等級が育つバイク保険のほうが総額で有利になりやすい
- 車を手放す可能性がある:車の契約が消えると特約も消える
- サイドカー付きの車体:側車付二輪は対象外と明記されている
迷ったときの順序は、補償の穴(車両・ロードサービス)を自己負担できるかを先に決め、そのあとで金額を比べることです。金額から入ると、必要な補償を落としたまま安いほうを選んでしまいます。
特約を付けた場合と付けない場合の保険料差は、同じ条件で見積もれば1回で確認できます。満期の1〜2か月前が動きやすいタイミングです。
特約ありなしの保険料差を無料で比較する(PR)詳細はリンク先をご確認ください
よくある質問
ファミリーバイク特約について、検索の多い質問を整理します。
Q1:ファミリーバイク特約とは何ですか?
自動車保険に付けることで、総排気量125cc以下の原付バイクを運転中の事故を補償する特約です。保険会社によっては原付特約とも呼ばれます。台数制限がなく、記名被保険者本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子まで補償されます。バイク単体では加入できません。
Q2:ファミリーバイク特約を使うと等級は下がりますか?
下がりません。ファミリーバイク特約で補償される事故はノーカウント事故に該当し、翌年の等級に影響しないと各社が公式に明記しています。バイク保険を使うと翌年の等級が下がるため、この点が両者の大きな違いになります。
Q3:2025年から始まった新基準原付もファミリーバイク特約の対象ですか?
対象です。ファミリーバイク特約の判定は総排気量125cc以下かどうかで行うため、新基準原付も含まれます。新基準原付は警察庁が令和7年4月1日から導入した区分で、総排気量125cc以下かつ最高出力4.0キロワット以下の二輪車を原付免許で運転できるようにしたものです。
Q4:ファミリーバイク特約で自分のバイクの修理代は出ますか?
出ません。おとなの自動車保険は「ご自身のバイクについての損害は、ファミリーバイク特約では補償されません」と明記しています。車でいう車両保険にあたる補償がないため、転倒による車体の損傷は自己負担になります。
Q5:ファミリーバイク特約にロードサービスは付きますか?
付きません。おとなの自動車保険は「いずれのタイプも、ロードアシスタンスの対象にはなりません」、三井ダイレクト損保は「ロードサービスは対象外となります」としています。バイクのパンクやバッテリー上がりに備えるなら、バイク保険やJAFなど別の手段が必要です。
Q6:自損傷害型と人身傷害型はどちらを選べばよいですか?
自分のケガの補償が定額か実損かで選びます。人身傷害型は治療費・休業損害・精神的損害などを実際の損害額で支払うため、通勤や通学で毎日乗る人や、働けない期間の収入減が家計に響く人に向きます。週末に近所を走る程度なら自損傷害型で保険料を抑える判断も成り立ちます。
Q7:ファミリーバイク特約は借りたバイクでも使えますか?
使える会社が多いです。おとなの自動車保険は「借りたバイクおよび電動キックボードも含み、家に2台以上ある場合でもどちらも対象」と案内しています。ただし取扱いは会社ごとに異なるため、契約前に約款で確認してください。
まとめ:金額より先に「補償の穴」を確認する
ファミリーバイク特約について、要点を整理します。
- 対象は総排気量125cc以下。台数制限なし・年齢条件も適用されない
- 使ってもノーカウント事故で等級は下がらないのが最大の強み
- 2025年4月1日施行の新基準原付も125cc以下なので対象
- ただし免許区分は別問題。出力4.0kW超を原付免許で運転すれば無免許になる
- 補償されないのは自分のバイクの修理代・ロードサービス・側車付二輪
- 長く乗るほど等級が育つバイク保険が追いついてくる構造
判断の順序を間違えないことが要点です。車体の修理代とロードサービスを自己負担できるかを先に決めてから、金額を比べてください。
新基準原付が加わったことで、125ccクラスの選択肢は広がりました。保険の側は排気量で判定されるため扱いは変わりませんが、免許区分の確認だけは別途必要です。
特約の要否は、実際の保険料差を見てから決めるのが確実です。補償条件を揃えて各社を並べてみてください。
ファミリーバイク特約込みの保険料を無料で比べる(PR)詳細はリンク先をご確認ください
あわせて読みたい
免責事項
※本記事は公開情報をもとにした整理です。ファミリーバイク特約の補償範囲・対象車種・タイプの名称・保険料は保険会社および契約条件により異なり、改定されることがあります。最終的な契約・申込の判断は、各社の約款・重要事項説明書および公式サイトの最新情報をご確認のうえ行ってください。

