車の廃車手続きのやり方|永久抹消登録・解体返納の必要書類と費用・15日以内の期限・自動車重量税の還付・しないとどうなる【2026年】

車の廃車手続きは、解体が終わった車の登録を消す「永久抹消登録」(軽自動車は「解体返納」)です。窓口は運輸支局か軽自動車検査協会で、手数料は無料。引取業者から解体報告の連絡を受けた日から15日以内に申請し、自動車重量税の還付は同時に申請したときだけ受けられます。

この記事でわかること

  • 車の状態(車検あり・一時抹消済み・普通車・軽自動車)でどの手続きになるかの早見表
  • 自分で運輸支局へ行く・ディーラー・廃車買取業者・解体業者の4経路の比較と、業者任せで起きる自動車税の落とし穴
  • 普通車と軽自動車の必要書類を、所有者本人・代理人・所有権留保ありの3列で分けた2つの表
  • 手数料無料の内訳と、リサイクル料金・解体費用・運搬費のうち公的に決まっている額と業者差の切り分け
  • 自動車税・自動車重量税・自賠責の戻り方の違いと、重量税還付の計算式・所要2か月半・マイナンバー
  • 廃車手続きをしないとどうなるか(15日以内の期限・50万円以下の罰金・職権での抹消・自動車税の継続

一次資料: e-Gov法令検索「道路運送車両法」(参照)/国土交通省「車を一時使用中止・解体・輸出するためには」(参照)/軽自動車検査協会「解体返納」(参照)/国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付申請手続」(参照)/自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(参照)/東京都主税局「自動車税|自動車と税金」(参照

先に結論から

車をスクラップにするときの廃車手続きは、「解体が終わってから、15日以内に窓口へ」の順番です。先に運輸支局へ行っても、解体の記録がなければ永久抹消登録は受け付けられません。

普通車は運輸支局で永久抹消登録、軽自動車は軽自動車検査協会で解体返納。どちらも手数料は無料です。お金がかかるとすれば、解体費用・運搬費・未預託のリサイクル料金で、これは業者ごとに違います。

戻るお金は3つ。自動車税は抹消した翌月分から月割、自動車重量税は残りの車検期間分(同時申請のみ)、自賠責は保険会社で解約した残期間分です。軽自動車税に月割の還付はありません。

この記事が扱う範囲

  • 扱うのは車を解体して登録を消す手続き(永久抹消登録・一時抹消後の解体届出・軽の解体返納)です
  • 「しばらく乗らないが車は残す」なら手続きが違います。車の一時抹消登録とはが本体です
  • 廃車買取業者の選び方・査定額の考え方は廃車買取は無料か有料かにまとめています

目次

車の廃車手続きとは|永久抹消登録・解体届出・解体返納のどれになるか

車の廃車手続きとは、解体した車の登録(軽は車両番号の指定)を消して、税金や車検の対象から外す手続きです。名前は車の状態で3つに分かれます。

車の状態で決まる廃車手続きの名前と窓口(国土交通省・軽自動車検査協会・2026年9月時点)

車の状態手続きの名前窓口手数料
普通車・ナンバー付き(車検の有無は問わない)永久抹消登録使用の本拠を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所無料
普通車・一時抹消登録が済んでいる解体届出運輸支局・自動車検査登録事務所無料
軽自動車・ナンバー付き解体返納使用の本拠を管轄する軽自動車検査協会無料
軽自動車・自動車検査証返納届(一時使用中止)が済んでいる解体届出最寄りの軽自動車検査協会無料

出所: 国土交通省「車を一時使用中止・解体・輸出するためには」同「一時抹消登録後の届出」軽自動車検査協会「解体返納」(2026年4月13日更新)同「解体届出」(2026年3月24日更新)

「陸運局」と呼ばれる窓口の正式名は運輸支局(または自動車検査登録事務所)です。どこの運輸支局でもよいわけではなく、車検証に書かれた使用の本拠を管轄する支局へ行きます。

廃車手続きは「解体が終わってから」始まる

永久抹消登録の申請期限は、道路運送車両法15条1項で「解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内」と決められています(e-Gov法令検索「道路運送車両法」第15条)。解体報告記録は、解体業者が自動車リサイクルシステムに「適正に解体した」と報告した記録のことです。

つまり順番は、引取業者へ引き渡す → 解体される → 解体報告の連絡を受ける → 15日以内に窓口です。車を持ったまま先に運輸支局へ行っても、永久抹消登録はできません。軽自動車検査協会も「解体報告の連絡がなされた後に申請してください」と案内しています。

乗らないだけなら一時抹消。解体しないと重量税は戻らない

「しばらく乗らないが車は残したい」なら一時抹消登録です。ナンバーと車検証を返して使用だけ止める手続きで、あとで再登録できます。費用は普通車500円(OSS申請なら450円)・軽450円。手続きの中身は車の一時抹消登録とはのとおりです。

一時抹消と廃車の分かれ目は「解体するかどうか」です。自動車重量税の還付は解体した車にしか付きません。車を残す一時抹消では、自動車税は月割で戻っても重量税は戻らない仕組みです。

車の廃車手続きはどこで誰がする?|自分・ディーラー・買取業者・解体業者の4経路

車の廃車手続きは、自分で運輸支局へ行く・ディーラーに頼む・廃車買取業者に頼む・解体業者に直接持ち込むの4経路です。どの経路でも、最後に窓口へ出す書類と手数料無料の点は同じ。違うのは、解体と運搬を誰が手配し、いくら払う(受け取る)かです。

車の廃車手続き 4経路の比較(2026年9月時点・費用の業者差は本記事では未確認)

経路解体・運搬の手配自分で用意する書類費用(公的に決まる額)費用(業者ごとに違う額)
自分で運輸支局へ自分で引取業者を探し、自走できなければ運搬も手配全部(車検証・ナンバー・印鑑証明書・移動報告番号など)手数料0円・印鑑証明書の交付手数料解体費用・運搬費・未預託ならリサイクル料金
ディーラー・整備工場店が引取業者として受け、解体と申請を代行印鑑証明書・実印を押した委任状手数料0円代行手数料・引き取り費用(店で違う。買い替え時は無料のことも)
廃車買取業者業者が引き取り、解体と申請を代行印鑑証明書・実印を押した委任状手数料0円買取額が付くか・引き取り費用の有無(業者で違う)
解体業者へ直接持ち込み自分で持ち込む。申請は自分か業者自分で申請するなら全部手数料0円解体費用(業者で違う。買い取りになることも)

代行を頼む場合、自分で用意するのは印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)と実印を押した委任状が基本です。委任状の記入で迷う点は車の名義変更の委任状の書き方と同じ様式なので、そちらで確認できます。

業者に任せるときは「抹消登録した日」を確認する

自動車税の還付は「業者に車を渡した日」ではなく「実際に抹消登録した日」が起点です。東京都主税局は「廃車した日とは業者等に自動車を引き渡した日ではなく、運輸支局や自動車検査登録事務所で実際に抹消登録した日」と明記し、抹消登録されたかどうかは業者に確認してくださいとしています(東京都主税局「自動車税|自動車と税金」Q12)。

月末に引き渡して、業者の手続きが翌月にずれると、1ヶ月分の還付が減ります。任せるなら「いつ抹消登録が終わるか」「終わったら控えをもらえるか」を先に聞いておくところです。

買取業者に頼むなら「無料」の中身を見る

廃車買取業者は、鉄や部品の価値で車を引き取るため、引き取り無料や買取額が付くことがあります。ただし「無料」の範囲と査定額の付き方は業者で差があります。見極めの軸は廃車買取は無料か有料かで分けています。

車の廃車手続きの順番は「解体が先・窓口は後」

  • 車をスクラップにして登録を消したい
  • 1リサイクル券(預託状況)を確認する車検証入れの券か、車検証閲覧アプリ・自動車リサイクルシステムで確認
  • 2引取業者へ引き渡し、使用済自動車引取証明書を受け取る移動報告番号(リサイクル券番号)が載る。ナンバー2枚と車検証は手元に
  • 3解体報告の連絡を受ける解体報告記録日がここで決まる。処理状況は自動車リサイクルシステムで照会できる
  • 415日以内に運輸支局/軽自動車検査協会へ永久抹消登録(軽は解体返納)。手数料無料。重量税の還付はこのとき同時に申請
  • 5保険の解約と税の還付を待つ自賠責は保険会社で解約。自動車税は翌月分から月割、重量税はおおむね2か月半

図:永久抹消登録は「解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内」(道路運送車両法15条)。

車の廃車手続きの流れ|引取業者への引き渡しからリサイクル券・移動報告番号まで

流れは5段階で、窓口へ行くのは最後の1回です。前半は自動車リサイクル法の手続き、後半が道路運送車両法の手続きにあたります。

  1. リサイクル料金の預託を確認する。2005年以降の新車購入時、または中古車購入時に支払っている車がほとんどです。券が見当たらなくても、車検証閲覧アプリや自動車リサイクルシステムで支払い状況を確認できます。
  2. 引取業者へ引き渡す。引取業者は自治体に登録した事業者で、新車販売店・中古車販売店・整備工場・解体業者などが店頭に標識を掲げています。未預託なら引き渡し時にリサイクル料金を支払います。
  3. 使用済自動車引取証明書を受け取る。ここに移動報告番号(リサイクル券番号)が書かれています。永久抹消登録・解体返納の申請書に記入する番号なので、なくさないようにします。
  4. 解体報告の連絡を待つ。引取業者は解体報告記録がなされたことを所有者に通知することになっています(道路運送車両法15条2項)。処理状況は自動車リサイクルシステムでも照会できます。
  5. 15日以内に窓口で申請する。普通車は永久抹消登録、軽は解体返納。自動車重量税の還付はこのとき同時に申請します。

出所: 自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(未預託なら引き渡し時に支払い・引取業者から使用済自動車引取証明書を受け取る・処理状況を確認できる)・同「リサイクルの流れ」

リサイクル券がない・未預託のときはどうなるか

リサイクル券(預託証明書)は、リサイクル料金を支払った証明です。券そのものをなくしても、預託の記録はシステム側に残っています。券がないだけなら、料金を二重に払う必要はありません

未預託の車(預託が始まる前の登録で、その後に車検を受けていない車など)は、引取業者に引き渡すときにリサイクル料金を支払います。金額は車種・装備で決まるため、自動車リサイクルシステムの料金検索で自分の車の額を引きます。

ナンバープレートと車検証は解体前に手元へ

永久抹消登録と解体返納では、前後2枚のナンバープレートと車検証を窓口に返納します。引取業者に車ごと渡すと一緒に持っていかれるので、引き渡すときに「ナンバーと車検証は自分で申請に使う」と伝えて受け取っておきます

代行を頼む場合は業者が返納するので、渡したままで構いません。ナンバーをなくした場合、軽自動車は「車両番号標未処分理由書」、普通車は届出警察署名・届出日・受理番号を書いた理由書を添えます。

車の廃車手続きに必要な書類|普通車の永久抹消登録(本人・代理人・所有権留保)

普通車の永久抹消登録は、車検証・ナンバープレート2枚・印鑑証明書・実印(または実印を押した委任状)・移動報告番号が柱です。国土交通省の案内を、誰が申請するかで3列に分けます。

普通車の永久抹消登録の必要書類(国土交通省 自動車検査登録総合ポータル・2026年9月時点)

書類所有者本人が申請代理人(家族・業者)が申請所有権留保あり(車検証の所有者がディーラー・信販会社)
永久抹消登録申請書(OCR第3号様式の3)窓口で記入・実印を押印窓口で記入窓口で記入
移動報告番号・解体報告記録日申請書に記入同左同左
手数料納付書無料(記入のみ)同左同左
所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)要る要る所有者(販売会社)のもの。所有権解除の書類と一緒に取り寄せ
所有者の委任状不要要る(実印を押印)販売会社が発行した委任状
車検証要る要る要る
ナンバープレート前後2枚要る要る要る
住所・氏名のつながりを示す書面車検証と印鑑証明書の住所・氏名が違うときだけ(住民票・戸籍の附票など)同左販売会社の登記事項証明書など
自動車重量税還付申請書申請書と兼用。口座を記入兼用。還付金の受領も代理なら受領権限の委任状還付は所有者(販売会社)が受ける

出所: 国土交通省「車を一時使用中止・解体・輸出するためには」永久抹消登録国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について」Q17

一時抹消登録が済んでいる車の解体届出は、車検証とナンバーの代わりに登録識別情報等通知書を出します。届出書に所有者の記名があれば委任状は不要で、印鑑証明書も要りません(国土交通省「一時抹消登録後の届出」)。

車検証の住所や氏名が今と違うとき

引っ越しや結婚で車検証の記載が印鑑証明書と違う場合、つながりを示す書面を足します。住所なら住民票(前住所が車検証の住所と一致すれば1枚で足りる)、2回以上引っ越していれば住民票の除票や戸籍の附票。氏名なら戸籍謄本か、旧姓が併記された住民票です。

この書面がないと窓口で止まります。印鑑証明書を取るときに、車検証の住所と見比べておくのが早道です。

所有権留保(ローン中・ディーラー名義)なら所有権解除が先

車検証の所有者欄がディーラーや信販会社になっている車は、自分の判断だけでは抹消できません。所有者である会社に連絡し、所有権解除の書類(印鑑証明書・委任状など)を出してもらいます。ローン残債があれば完済が条件になるのが通常です。

自動車重量税の還付も、この場合は所有権を留保している販売会社が受けることになります(国税庁Q17)。還付金を自分が受け取りたいなら、先に所有権解除をして自分名義にしてから解体に出す順番です。

軽自動車の廃車手続きに必要な書類|解体返納は印鑑証明書も実印も不要

軽自動車の解体返納は普通車より書類が少なく、印鑑証明書も実印も要りません。軽自動車検査協会が挙げる必要書類は、車検証・移動報告番号・ナンバープレート・解体届出書と、所有者以外が手続きするときの申請依頼書です。

軽自動車の解体返納の必要書類(軽自動車検査協会・2026年4月13日更新)

書類所有者本人が申請代理人(家族・業者)が申請所有権留保あり
自動車検査証(原本・コピー不可)要る要る要る
移動報告番号(使用済自動車引取証明書に記載)申請書に記入同左同左
ナンバープレート(車両番号標)要る(無ければ車両番号標未処分理由書)同左同左
解体届出書(軽第4号様式の3)窓口で記入同左同左
申請依頼書不要要る(押印指示なし)所有者(販売会社)が発行
印鑑証明書・実印不要不要不要
事業用自動車等連絡書黒ナンバーのみ同左同左
自動車重量税還付申請書兼用。口座とマイナンバーを記入し、個人番号カード(または通知カード+運転免許証)を提示兼用。申請依頼書+所有者の個人番号カードか通知カードの写し+代理人の運転免許証還付は所有者が受ける
軽自動車税申告(報告)書協会に隣接する税の窓口で提出同左同左

出所: 軽自動車検査協会「解体返納」(2026年4月13日更新)

重量税の還付を受けるときだけ、マイナンバーの記載と番号確認の書類が要ります。代理人に頼む場合は、所有者の個人番号カードか通知カードの写しを預ける形になるので、業者に渡してよいか含めて事前に決めておきます。

一時使用中止のあとの解体届出は郵送でもできる

すでに自動車検査証返納届(一時使用中止)を出している軽自動車を解体した場合は「解体届出」です。書類は移動報告番号・解体届出書・申請依頼書(所有者以外のとき)だけで、手数料は無料。

この解体届出は、重量税の還付申請がない場合に限り郵送で受け付けています(2014年4月1日から)。送付票を同封し、OCRシートを折らないよう角2封筒を使い、返信用の送料も自己負担です。重量税の還付を受ける場合は窓口での申請になります(軽自動車検査協会「送付による解体届出」)。

普通車と軽自動車で、廃車手続きの書類はここが違う

普通車(永久抹消登録)
窓口
使用の本拠を管轄する運輸支局
印鑑
実印+印鑑証明書(3ヶ月以内)
代理人
実印を押した委任状
返すもの
車検証+ナンバー2枚
手数料
無料
軽自動車(解体返納)
窓口
使用の本拠を管轄する軽自動車検査協会
印鑑
不要(印鑑証明書も不要)
代理人
申請依頼書
返すもの
車検証+ナンバー
手数料
無料

図:どちらも移動報告番号が要り、重量税の還付は同時申請。軽は還付にマイナンバーの記載が要る。

車の廃車手続きの費用|窓口の手数料は無料・かかるのは解体と運搬

車の廃車手続きで公的に決まっている費用は、窓口の手数料0円と、印鑑証明書などの交付手数料だけです。それ以外の解体費用・運搬費・代行手数料は業者ごとに違い、公的な定価はありません。

車の廃車手続きにかかる費用の内訳(2026年9月時点・業者差のある項目は金額を置かない)

費用の項目普通車軽自動車決まり方
永久抹消登録・解体返納・解体届出の手数料0円0円国土交通省・軽自動車検査協会の案内
印鑑証明書の交付手数料市区町村の定め不要自治体で異なる
リサイクル料金預託済みなら不要。未預託なら引き渡し時に支払い同左車種・装備で決まる(自動車リサイクルシステムで検索)
解体費用業者ごと業者ごと公的な定価なし。買い取りになることもある
運搬費(自走できないとき)業者ごと・距離次第同左公的な定価なし
代行手数料(ディーラー・業者に頼むとき)業者ごと同左公的な定価なし
一時抹消登録(参考・車を残す場合)窓口500円(OSS450円)450円(返納証明書の交付)国土交通省 手数料一覧表(令和8年4月1日現在)・軽自動車検査協会

出所: 国土交通省「車を一時使用中止・解体・輸出するためには」(永久抹消登録は手数料無料)・国土交通省「登録・検査手数料一覧表」(令和8年4月1日現在)(一時抹消登録 OSS450円・窓口500円)・軽自動車検査協会「自動車検査証返納届(一時使用中止)」(返納証明書の交付450円)

「自分でやると数万円かかる」と書かれた案内も見かけますが、その内訳は解体費用と運搬費です。窓口の手続きそのものに費用はかからず、解体費用も業者によっては買い取りに転じます。見積もりを2社以上で取り、費用か買取額かを比べてから決めるところです。

車の廃車手続きで戻るお金|自動車税・自動車重量税・自賠責の3つ

戻るお金は自動車税・自動車重量税・自賠責保険料の3つで、戻る条件も申請先もそれぞれ違います。軽自動車税には月割の還付がありません。

廃車で戻るお金の一覧(東京都主税局・国税庁・軽自動車検査協会・2026年9月時点)

種類戻る条件起点・計算申請先
自動車税(2026年4月1日から「種別割」の名称が外れた)=普通車抹消登録(永久抹消・一時抹消どちらでも)抹消登録した月の翌月分から月割申請不要。都道府県から通知
自動車重量税=普通車・軽解体を事由とする永久抹消登録・解体届出・解体返納と同時に申請。車検残存期間1ヶ月以上納付額×残存月数÷車検有効期間(月)運輸支局・軽自動車検査協会の窓口(申請書は抹消の様式と一体)
自賠責保険料=普通車・軽抹消登録後に保険会社で解約残りの保険期間分(保険会社の定め)契約している保険会社・代理店
軽自動車税=軽月割の還付なし4月1日時点の所有者に年額課税。翌年度分から課税されない協会に隣接する税の窓口で申告

出所: 東京都主税局「自動車税|自動車と税金」(抹消登録の翌月から月割・2026年4月1日に自動車税種別割から自動車税へ名称変更)・国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について」軽自動車検査協会「解体返納」

自動車重量税の還付は「同時申請だけ」。計算式と2か月半

自動車重量税の廃車還付制度は、自動車リサイクル法に基づいて解体された車を対象に、解体を事由とする永久抹消登録または解体届出と同時に申請したときだけ残りの車検期間分を戻す制度です(根拠は租税特別措置法90条の15)。手続きを済ませたあとで還付だけを申請することは原則できません(国税庁Q6)。

計算式は「納付した自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間」です。国税庁の例では、納付額24,600円・残存5ヶ月・2年車検で 24,600円×5÷24=5,125円。残存期間が1ヶ月未満なら還付はありません(国税庁Q20)。振り込まれるまではおおむね2か月半です(同Q1)。

売却・下取り・盗難では戻りません(同Q16)。解体していないからです。納付額は車検証に載っているので、自分の車の税額の決まり方は自動車重量税はいくら?で確認できます。

自動車税は抹消登録の翌月分から。名称は「自動車税」に

普通車の自動車税は、年度途中で抹消登録すると翌月分から月割で減額され、納付済みなら差額が戻ります。申請は不要で、抹消登録を確認した都道府県から通知が届きます。年額は排気量で決まり、自動車税はいくら?に一覧があります。

2026年4月1日から、東京都では「自動車税種別割」が「自動車税」に名称変更され、環境性能割は2026年3月31日で廃止されました。古い記事や納税通知の表記が「種別割」のままでも、同じ税のことです。

自賠責は保険会社で解約。任意保険は中断証明書

自賠責保険は抹消登録が済んでから、保険会社か代理店で解約します。廃車の事実が分かる書類(抹消登録の控えなど)を求められるので、窓口で受け取った書類は保険の解約が終わるまで手元に置きます。何を出せばよいかは保険会社ごとに案内が違うため、電話で先に聞くと一度で済みます。証明書の見方は自賠責保険証明書とはにまとめています。

任意保険は解約でなく「中断」にすると、等級を最長10年残せます。次の車を買う予定が少しでもあるなら、中断証明書を取ってから解約します。条件は自動車保険の中断証明書の期限のとおりです。

廃車で戻るお金は3つ。戻り方が全部違う

  • 車を解体して抹消登録した。何が戻る?
    • 自動車税(普通車)抹消登録した月の翌月分から月割。申請不要で都道府県から通知。起点は引き渡し日でなく登録日
    • 自動車重量税(普通車・軽)抹消と同時申請だけ。納付額×残存月÷24。1ヶ月未満は無し。約2か月半後
    • 自賠責保険料(普通車・軽)保険会社で解約して残期間分。任意保険は中断証明書で等級を残す
    • 軽自動車税(軽)月割の還付なし。翌年度から課税されなくなるだけ

図:重量税だけは「同時に申請しないと戻らない」。窓口へ行く前に口座番号を控える。

車の廃車手続きをしないとどうなる|自動車税が続く・50万円以下の罰金・職権での抹消

車の廃車手続きをしないと、自動車税は課税され続け、普通車なら50万円以下の罰金の対象になります。解体してしまった車でも、登録が残っている限り「車がある」扱いです。

廃車手続きを放置したときの期限と罰則(e-Gov法令検索「道路運送車両法」・2026年9月時点)

手続き期限根拠条文罰則
普通車の永久抹消登録解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内15条1項申請しない・虚偽の申請は50万円以下の罰金(109条2号)
普通車・一時抹消後の解体届出同上16条2項届出しない・虚偽の届出は30万円以下の罰金(110条3号)
軽自動車の解体返納(車検証の返納+届出)同上69条1項・69条の2第1項届出しない・虚偽の届出は30万円以下の罰金(110条3号)
自動車税(普通車)地方税法・都道府県の課税抹消登録するまで4月1日時点の所有者に年額課税

出所: e-Gov法令検索「道路運送車両法」第15条・第16条・第69条・第69条の2・第109条・第110条東京都主税局「自動車税|自動車と税金」

罰金額は普通車の永久抹消登録(50万円以下)と、解体届出・軽の届出(30万円以下)で違います。どちらも「申請・届出をしない」こと自体が対象で、悪意の有無は条文に書かれていません。

申請しないと国土交通大臣が催告し、職権で抹消する

永久抹消登録の申請がないとき、国土交通大臣は7日以上の期間を定めて催告し、それでも正当な理由なく申請しなければ職権で永久抹消登録をして所有者に通知します(道路運送車両法15条4項・5項)。登録はいずれ消えますが、その間の自動車税の課税と罰則の対象は消えません。

自動車税は「4月1日時点の所有者」に年額で課税されます。解体済みでも3月中に抹消登録が終わっていなければ、翌年度分の納税通知が届きます。年度末に手放すなら、3月31日までに抹消登録を終えるのが1年分の差です。

車検が切れたまま置いてある車は、乗らなければ違反ではない

「廃車にしないと違反になる」と思われがちですが、車検が切れた車を駐車場に置いておくこと自体は違反ではありません。違反になるのは公道を走らせたときです。罰則と仮ナンバーの取り方は車検が切れたらどうなる?に分けています。

ただし置いておく限り自動車税は続きます。乗らない期間が数ヶ月を超えるなら一時抹消、もう乗らないなら解体して永久抹消、の二択で早めに決めるところです。

よくある質問

Q1:車の廃車手続きはどこでしますか?

普通車は車検証の使用の本拠を管轄する運輸支局(自動車検査登録事務所)、軽自動車は管轄の軽自動車検査協会です。どちらも手数料は無料です。窓口へ行くのは車の解体が終わって解体報告の連絡を受けたあとで、その日から15日以内に申請します(道路運送車両法15条)。ディーラーや廃車買取業者に代行を頼む場合は、印鑑証明書と実印を押した委任状(軽は申請依頼書)を渡します。

Q2:車の廃車手続きに必要な書類は何ですか?

普通車の永久抹消登録は、車検証・ナンバープレート前後2枚・所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)・実印(代理人なら実印を押した委任状)と、使用済自動車引取証明書に書かれた移動報告番号・解体報告記録日です。軽自動車の解体返納は、車検証原本・ナンバープレート・移動報告番号・解体届出書(軽第4号様式の3)で、印鑑証明書と実印は要りません。所有者以外が手続きするときは申請依頼書を添えます。

Q3:車の廃車手続きの費用はいくらかかりますか?

窓口の手数料は永久抹消登録・解体返納・解体届出のいずれも無料です。かかるとすれば、印鑑証明書の交付手数料、解体費用、自走できないときの運搬費、未預託の場合のリサイクル料金で、解体費用と運搬費は業者ごとに違い公的な定価はありません。廃車買取業者なら引き取り無料や買取額が付くこともあります。参考までに、車を残す一時抹消登録は普通車500円(窓口申請。OSS申請なら450円)・軽450円です。

Q4:軽自動車の廃車で税金は還付されますか?

軽自動車税に月割の還付はありません。4月1日時点の所有者に年額で課税され、翌年度分から課税されなくなるだけです。戻るのは自動車重量税と自賠責保険料です。重量税は解体返納(または解体届出)と同時に還付申請したときだけ、車検残存期間が1ヶ月以上あれば残り分が戻ります。申請書にマイナンバーの記載が要り、個人番号カードか通知カード+運転免許証を提示します(軽自動車検査協会)。

Q5:廃車手続きをしないとどうなりますか?

普通車の永久抹消登録は、解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内に申請しないと50万円以下の罰金の対象です(道路運送車両法15条・109条)。一時抹消後の解体届出と軽自動車の届出は30万円以下の罰金(16条・69条の2・110条)。あわせて、抹消登録するまで自動車税が課税され続けます。申請がないと国土交通大臣が催告し、職権で永久抹消登録をすることもあります(15条4項・5項)。

Q6:自動車重量税の還付はいくら戻って、いつ振り込まれますか?

還付額は「納付した自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間」です。国税庁の例では、納付額24,600円・残存5ヶ月・2年車検なら24,600円×5÷24=5,125円。残存期間が1ヶ月未満なら戻りません。振り込みまではおおむね2か月半かかります。永久抹消登録・解体届出と同時に申請する必要があり、あとから還付だけを申請することは原則できません。売却や下取りに出した車は対象外です。

Q7:ディーラーや買取業者に廃車手続きを頼むときの注意点は?

自動車税の還付の起点は「業者に車を引き渡した日」でなく「実際に抹消登録した日」です(東京都主税局)。月をまたぐと1ヶ月分の還付が減るので、いつ抹消登録が終わるか、終わったら控えをもらえるかを先に確認します。自賠責の解約と任意保険の中断証明書の申請には、その控えが要ります。重量税の還付金を業者が受け取る形にする場合は、受領権限の委任状を別に書くことになります(国税庁Q8)。

参考にした一次資料

まとめ:車の廃車手続きは「解体が先・15日以内・重量税は同時申請」

車の廃車手続きは、引取業者に車を渡し、解体報告の連絡を受けてから15日以内に窓口へ行く順番です。普通車は運輸支局で永久抹消登録、軽自動車は軽自動車検査協会で解体返納。手数料はどちらも無料で、かかるとすれば解体費用と運搬費です。

書類は普通車が車検証・ナンバー2枚・印鑑証明書・実印(代理人は委任状)と移動報告番号、軽は車検証・ナンバー・移動報告番号・解体届出書で印鑑証明書は要りません。所有権留保の車は、先に所有者の会社から書類を取り寄せます。

戻るお金のうち、自動車重量税だけは抹消と同時に申請しないと戻りません。口座番号(軽はマイナンバーも)を控えて窓口へ行き、業者に任せるなら「抹消登録がいつ終わるか」を確かめておけば、還付で損をせずに済みます。

この記事のまとめ

  • 車の廃車手続き=普通車は永久抹消登録(運輸支局)・軽は解体返納(軽自動車検査協会)。手数料はどちらも無料
  • 順番は「引き渡し→解体→解体報告の連絡→15日以内に窓口」。先に窓口へ行っても受け付けられない(道路運送車両法15条)
  • 普通車の書類は車検証・ナンバー2枚・印鑑証明書3ヶ月以内・実印(代理人は委任状)+移動報告番号。軽は印鑑証明書も実印も不要
  • 所有権留保(ディーラー・信販会社名義)は所有権解除が先。重量税の還付も留保している会社が受ける(国税庁Q17)
  • 費用で公的に決まっているのは手数料0円だけ。解体費用・運搬費・代行手数料は業者ごとで、買い取りに転じることもある
  • 戻るのは自動車税(翌月分から月割・起点は抹消登録日)・自動車重量税(同時申請のみ・納付額×残存月÷24・約2か月半)・自賠責(保険会社で解約)。軽自動車税は戻らない
  • 放置すると自動車税は続き、普通車は50万円以下・軽と解体届出は30万円以下の罰金の対象。催告後は職権で抹消される

関連記事

免責事項

※本記事はe-Gov法令検索の現行条文と、国土交通省・軽自動車検査協会・国税庁・自動車リサイクル促進センター・東京都主税局などの公開案内をもとにした整理です(2026年9月時点)。解体費用・運搬費・代行手数料は業者ごとに異なり、本記事では個別の金額を確認していません。自動車税の取り扱いは都道府県・市区町村ごとの案内、自賠責・任意保険の解約と返戻は契約中の保険会社の最新案内をご確認ください。法令・様式は改定されることがあります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

家族でヴォクシーに乗っている、ごく普通の会社員のSaitoです。きっかけは、夜の高速道路で追突された事故でした。保険会社のフリーダイヤルに、15分間つながらなかった。あの時間の長さで、保険は契約書のスペックではなく、いざという場面での対応力で選ぶものだと痛感しました。

それから、主要な自動車保険を10社以上、実際に契約しては乗り換えて、対応を比べてきました。CMで見る「満足度が高い」という数字と、夜間のオペレーターやレッカー手配の速さは、必ずしも一致しません。このサイトでは、事故対応やロードサービス、弁護士特約の使いどころなど、カタログでは分からない部分を、家族を持つドライバーの目線でまとめています。

目次