法人・事業用の自動車保険はどう選ぶ?9台以下と10台以上で変わる契約の型【2026年】

法人の自動車保険は、所有・使用する車が9台以下ならノンフリート契約、10台以上ならフリート契約に切り替わります。通販型(ダイレクト型)は各社とも9台以下・自家用車種・白または黄ナンバーが引受条件で、緑ナンバー・黒ナンバーの事業用車は代理店型で扱う形が一般的です(2026年9月時点)。

この記事でわかること

  • 法人の自動車保険は「所有台数9台以下か10台以上か」で制度そのものが変わるという分かれ目
  • 通販型4社(ソニー損保・SBI損保・三井ダイレクト・アクサ)の引受条件を公式ページで横断比較
  • 緑ナンバー・黒ナンバー(事業用登録)の車はどこで契約できるのか
  • 記名被保険者が法人になると使えなくなる補償・特約・割引の実際のリスト
  • 法人契約の保険料はどのくらいか(公式が公開している条件つきの保険料例
  • 法人を設立していない個人事業主はどちらに該当するか

出典: ソニー損保/SBI損保/三井ダイレクト損保/アクサダイレクト/損保ジャパン 各公式サイト(いずれも2026年9月3日に確認)

先に結論から

法人の自動車保険で最初に決まるのは、商品でも会社でもありません。所有・使用する車が何台かです。

アクサダイレクトの公式説明では、フリート契約とは所有・使用する自動車が10台以上の契約、これに対して1〜9台の契約がノンフリート契約とされています。この線を境に、等級の付き方も見積もりの取り方も変わります。

そして通販型で法人契約を扱う会社は、いずれも「9台以下」を引受条件に置いています。10台以上になった時点で、通販型の選択肢は事実上なくなります。

この記事の要点

  • 1〜9台=ノンフリート契約。車1台ごとに等級がつき、通販型でもネットで見積もり・申込ができる。
  • 10台以上=フリート契約。会社単位で保険料が決まる方式に変わり、通販型4社はいずれも引き受けない。
  • 緑ナンバー・黒ナンバー(事業用登録)は通販型では対象外。損保ジャパンなど代理店型が受け皿になる。
  • 記名被保険者を法人にすると、運転者限定割引・ゴールド免許割引・弁護士特約の一部などが使えなくなる。
  • 法人を設立していない個人事業主は、通販型では「個人のお客さま」扱いになる会社がある。

目次

法人の自動車保険は「台数」で制度が変わる|9台以下と10台以上

結論を先に書くと、法人の自動車保険の設計は台数で二分されます。ここを取り違えると、見積もりを取る先ごと間違えます。

アクサダイレクトの公式FAQでは、フリート契約は「所有・使用する自動車が10台以上のご契約」、ノンフリート契約は「所有・使用する自動車が1〜9台のご契約」と説明されています(2026年9月3日確認)。

ノンフリート契約とフリート契約の分かれ目

項目ノンフリート契約(1〜9台)フリート契約(10台以上)
保険料の決まり方車1台ごとの等級で決まる会社単位の事故実績で決まる
通販型での契約各社とも取り扱いあり(条件あり)通販型4社はいずれも引受不可
見積もりの取り方ネットで完結できる会社がある代理店・保険会社との個別相談が中心
台数の数え方他社で契約中の車も台数に含める同左

出典: アクサダイレクト公式「アクサの法人向け自動車保険」、ソニー損保公式「法人のお客様|自動車保険はソニー損保」(いずれも2026年9月3日確認)

注意したいのが台数の数え方です。ソニー損保の公式ページには、10台には他の保険会社で契約している車も含めると明記されています。自社で契約している分だけを数えると判定を誤ります。

なお、2〜9台をまとめたノンフリート契約を「ミニフリート契約」と呼ぶことがありますが、アクサダイレクトは公式FAQで現在は取り扱いがないとしています。呼び名が使われていても、制度としてはノンフリートの範囲です。

法人の自動車保険 台数による分岐

  • 所有・使用する車は何台か
    • 1〜9台ノンフリート契約/通販型も選べる
    • 10台以上フリート契約/代理店・専門窓口へ
    • 緑・黒ナンバー台数を問わず代理店型が受け皿

図:台数とナンバーの色で、見積もりを取りに行く先が変わる

10台以上になった場合の契約の中身は、10台以上の自動車保険(フリート契約)の解説で整理しています。等級制度そのものの読み方はノンフリート等級の解説が入口になります。

通販型で法人契約できる4社と、その引受条件

9台以下なら通販型が選べます。ただし各社とも条件が細かく決まっており、1つでも外れると申込画面に進めません。公式ページで確認できた範囲を横並びにします。

通販型4社の法人契約 引受条件(各社公式・2026年9月3日確認)

会社台数の条件対象車種ナンバーの色ネット申込の割引
ソニー損保10台以上(フリート)は不可自家用8車種緑地に白文字・黒地に黄文字は不可新規ネット割引12,000円ほか合計15,000円
SBI損保総契約台数9台以下自家用5車種自家用車種の範囲ネット新規申込14,000円割引
三井ダイレクト損保総契約台数9台以下法人向けネット型の対象車法人向けページの条件によるネット割引の適用あり
アクサダイレクト契約台数9台以下自家用8車種白地または黄地のみ各種割引あり

出典: 各社公式の法人向けページ(ソニー損保/SBI損保/三井ダイレクト損保/アクサダイレクト・いずれも2026年9月3日確認)。割引額・割引率は条件により異なり、記載どおりにならない場合があると各社が注記しています。

条件の細かさに差があるので、代表的なものを補足します。

  • ソニー損保:契約できない条件として「10台以上のご契約(フリート契約)」「自家用8車種以外」「ナンバープレートが緑地に白文字や黒地に黄文字の営業用のお車」を明記。割引の内訳は新規申込時のインターネット割引12,000円・無事故割引2,500円・証券ペーパーレス割引500円。
  • SBI損保:「記名被保険者が法人である」「自家用5車種のお車である」「総契約台数が9台以下である」のすべてを満たす場合に契約可。法人のお客さま専用ダイヤルは0800-8888-835(9:00〜18:00・12/31〜1/3を除く)。
  • アクサダイレクト:「契約台数が9台以下」「自家用8車種」「ナンバープレートの色が白地または黄地」「保険契約者・記名被保険者・お車の所有者が同一の法人(会社名義)」のすべてに該当する場合に加入可。
  • 三井ダイレクト損保:法人向けは総契約台数が9台以下の契約が対象。法人契約専用のお客さまセンターは0120-312-012(9:00〜18:00・年末年始を除く)。

見落としやすいのがアクサダイレクトの契約者・記名被保険者・所有者が同一の法人という条件です。車検証の所有者がカーディーラーやローン会社の場合は車検証上の使用者で判定する、という注記も公式に付いています。リースやローンで導入した社用車では、ここで条件を外れることがあります。

各社の事故対応やコスト感の違いは、三井ダイレクト損保の評判SBI損保の評判で個別に整理しています。

緑ナンバー・黒ナンバーの事業用車はどこで契約するか

ここは通販型と代理店型がはっきり分かれる論点です。

通販型は、営業用登録の車を引き受けません。アクサダイレクトの公式FAQは「お車のナンバープレートの色が緑地または黒地の場合(事業用登録のお車)ご加入いただけません」と明記しています。ソニー損保も同様に、緑地に白文字・黒地に黄文字の営業用車を契約不可の条件に挙げています。

一方、代理店型は受け皿になります。損保ジャパンの法人・個人事業主向けページには「法人名義、緑・黒ナンバーもOK」「『事業用』のお車でもご提案」と記載されています(2026年9月3日確認)。

ナンバーの色と契約先の対応(各社公式・2026年9月3日確認)

ナンバーの色通販型(ソニー損保・アクサ等)代理店型(損保ジャパン等)
白地・黄地(自家用)条件を満たせば契約可契約可
緑地・黒地(事業用)引受不可契約可

運送業・軽貨物・タクシーなど、営業ナンバーで車を使っている事業者は、はじめから代理店型を前提に見積もりを取るのが早いということになります。通販型で入力を進めても、最後で条件不適合になるためです。

代理店型を選ぶ場合、複数台をまとめる割引が用意されていることがあります。損保ジャパンのノンフリート多数割引は、公式ページで次のように示されています。

ノンフリート多数割引の例(損保ジャパン公式・2026年9月3日確認)

所有台数割引率
2台3%
3〜5台4%
6台以上6%

出典: 損保ジャパン「法人契約・個人事業主専用の自動車保険」(2026年1月1日以降始期契約の概要ページ・2026年9月3日確認)。適用される割引や割引率は契約条件によって異なると同社が注記しています。

同ページではほかに、Web証券割引240円、車齢別割引(基本補償項目が最大55%割引)、エコカー割引1.5%、福祉車両割引3%、走行特性割引5%が案内されています。通販型のネット割引が金額固定であるのに対し、代理店型は率での割引を積み上げる設計という違いが読み取れます。

代理店型と通販型の考え方の差は通販型と代理店型の比較にまとめています。

法人名義にすると使えなくなる補償・特約・割引がある

法人契約で見落とされやすいのがここです。個人契約と同じ感覚で補償を組もうとすると、選択肢に出てこない項目があります。

ソニー損保は、記名被保険者が法人の場合に適用されない補償・特約・割引を公式ページで一覧にしています。実際のリストが次のものです。

  • 補償・特約:人身傷害 車内+車外補償型(車内のみ補償型は付帯可能)/他車運転特約/ファミリーバイク特約/おりても傷害特約/おりても身の回り品特約
  • 運転者の限定:運転者家族限定特約/運転者本人・配偶者限定特約/運転者本人限定特約
  • 個人向けの補償:個人賠償特約/弁護士特約 自動車+日常事故タイプ(自動車事故のみタイプは付帯可能)
  • 割引:紹介割引(契約者が個人の場合は適用可能)/くりこし割引/ゴールド免許割引/セカンドカー割引

出典: ソニー損保 公式「法人のお客様」(2026年9月3日確認)

影響が大きいのは運転者を限定する割引が一切使えない点です。個人契約なら記名被保険者本人に限定するだけで割引が付きますが、法人契約では「限定しない」のみになります。複数の従業員が運転する前提なので当然ではありますが、保険料を下げる手札が1枚減ります。

ゴールド免許割引が使えないのも同じ理由です。法人には免許証の色がないため、個人契約なら効いていた割引が丸ごと消えます。

記名被保険者が個人か法人かで変わる項目(ソニー損保公式・2026年9月3日確認)

項目記名被保険者が個人記名被保険者が法人
車の使用目的「主に家庭用」か「主に業務用」を選択「主に業務用」のみ
契約距離区分「主に家庭用」の場合は設定あり設定なし
運転者の限定限定できる限定できない
事故対応・ロードサービス24時間365日の事故受付・事故対応同じ(違いなし)

補償を削る方向の話が続きましたが、事故対応やロードサービスに個人・法人の差はないとソニー損保は明記しています。安くならないぶんサービスも落ちる、という誤解は不要です。

法人契約の保険料はどのくらいか|公式が示す条件つきの例

金額の感覚をつかむには、条件がすべて書かれている数字を見るのが確実です。三井ダイレクト損保は法人向けページで、車種別の保険料例を算出条件つきで公開しています。

法人向け自動車保険の保険料例(三井ダイレクト損保公式・2025年9月時点の記載)

車種年間保険料(年払)ノンフリート等級車両保険
トヨタ プリウス47,610円6等級(S)なし
メルセデスベンツ60,340円20等級あり(限定タイプ・335万円)
ダイハツ タント38,240円6等級(S)なし
トヨタ ハイエース46,830円20等級あり(限定タイプ・155万円)

出典: 三井ダイレクト損保「法人向け自動車保険」の保険料例(2026年9月3日確認)。共通条件は運転者年齢条件35歳以上補償・使用目的は主に業務使用・年間走行距離3,001km〜5,000km・対人対物無制限・人身傷害は車内のみ補償タイプ・事故有係数適用期間0年。同社は記載の保険料例が2025年9月時点のものとしています。

この表の読み方で大事なのは、金額の差が車種だけで生まれていないことです。プリウスとハイエースはどちらも4万円台後半ですが、前者は6等級で車両保険なし、後者は20等級で車両保険ありという条件差があります。

法人で新しく車を増やすとき、多くは6等級スタートです。等級が育つまでは割引が薄く、同じ車でも数年後より高くなります。台数を増やす計画があるなら、この立ち上がりのコストを見込んでおくと予算が崩れません。

法人を設立していない個人事業主はどちらに該当するか

判断に迷いやすい論点なので、公式の記載をそのまま示します。

三井ダイレクト損保は法人向けページに「法人を設立していない個人事業主の方は『個人のお客さま』に該当します」と明記しています(2026年9月3日確認)。

一方、SBI損保の法人向け契約は「記名被保険者が法人である」ことが条件です。損保ジャパンは法人・個人事業主の双方を対象にした専用ページを設けています。

  • 法人登記あり・白/黄ナンバー・9台以下:通販型の法人向け契約が使える。
  • 法人登記なしの個人事業主・白/黄ナンバー:通販型では個人契約として申し込む会社がある。使用目的は「主に業務用」にする。
  • 緑/黒ナンバーを使う事業:台数にかかわらず代理店型で相談する。
  • 10台以上:フリート契約になるため、代理店・保険会社の法人窓口へ。

会社ごとに扱いが違うので、自分の事業形態で申し込めるかは必ず各社の公式ページで確認してください。ここを推測で決めると、契約後に条件不適合が判明する事態になりかねません。

よくある質問

Q1:フリート契約とノンフリート契約の違いは何ですか?

A. 所有・使用する自動車の台数で分かれます。アクサダイレクトの公式説明では、10台以上がフリート契約、1〜9台がノンフリート契約です。ノンフリートは車1台ごとに等級がつき、フリートは会社単位の事故実績で保険料が決まる方式に変わります。台数には他の保険会社で契約している車も含めて数えます。

Q2:社用車が10台になったら、いまの通販型の契約は続けられますか?

A. 通販型4社はいずれも9台以下を引受条件にしているため、10台以上になった時点で通販型では対象外になります。ソニー損保は契約できない条件として「10台以上のご契約(フリート契約)」を明記しており、10台には他社契約分を含むとしています。台数が増える見込みがあるなら、早めに代理店や保険会社の法人窓口に相談しておくと切り替えがスムーズです。

Q3:緑ナンバーの車を通販型で契約することはできませんか?

A. できません。アクサダイレクトは公式FAQで、ナンバープレートの色が緑地または黒地の場合(事業用登録の車)は加入できないとしています。ソニー損保も緑地に白文字・黒地に黄文字の営業用車を契約不可の条件に挙げています。損保ジャパンのように、法人名義で緑・黒ナンバーも対象としている代理店型の商品が受け皿になります。

Q4:法人契約にすると保険料は高くなりますか?

A. 一律に高くなるわけではありませんが、使える割引は減ります。ソニー損保の公式ページによると、記名被保険者が法人の場合は運転者限定割引・ゴールド免許割引・セカンドカー割引・くりこし割引が適用されません。使用目的も「主に業務用」のみとなり、契約距離区分の設定もなくなります。一方でネット割引や無事故割引、証券ペーパーレス割引は法人向けでも案内されています。

Q5:従業員が私用で社用車を使ったときも補償されますか?

A. 補償の範囲は契約の条件と各社の約款で決まるため、一律の答えはありません。使用目的や運転者の範囲の設定によって扱いが変わります。法人契約では運転者を限定できない会社がある一方、運転する人の範囲について各社が個別に条件を置いています。実際の運用ルールと保険の条件がずれていないか、契約前に窓口で確認するのが確実です。

Q6:複数台をまとめると安くなりますか?

A. 代理店型では台数に応じた割引が用意されていることがあります。損保ジャパンのノンフリート多数割引は、公式ページで2台3%、3〜5台4%、6台以上6%と案内されています(2026年1月1日以降始期契約の概要ページ)。適用される割引や割引率は契約条件によって異なるため、具体的な金額は見積もりで確認してください。

まとめ:台数とナンバーの色で、行き先はほぼ決まる

法人・事業用の自動車保険は、商品を比べる前にやることがあります。自社がどの枠に入るかを確定させることです。

この記事のまとめ

  • 1〜9台=ノンフリート契約、10台以上=フリート契約。台数には他社契約分も含めて数える。
  • 通販型4社(ソニー損保・SBI損保・三井ダイレクト・アクサ)はいずれも9台以下が引受条件。
  • 緑ナンバー・黒ナンバーの事業用車は通販型では引受不可。損保ジャパンなど代理店型が受け皿。
  • 記名被保険者を法人にすると、運転者限定割引・ゴールド免許割引・セカンドカー割引などが使えなくなる。
  • 事故対応・ロードサービスに個人/法人の差はない(ソニー損保公式)。
  • 法人を設立していない個人事業主は、通販型では個人契約として扱う会社がある。

台数とナンバーの色。この2つを先に確認すれば、見積もりを取りに行く先を間違えません。逆にここを飛ばすと、入力を進めた末に条件不適合となり、時間だけが減ります。

10台以上に達している、あるいは近いうちに達する見込みがあるなら、契約の型が変わる前提で10台以上の自動車保険(フリート契約)の解説を確認しておくと準備が早く進みます。

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免責事項

※本記事は各保険会社の公開情報をもとにした整理です(2026年9月時点)。記載の引受条件・割引額・割引率・保険料例は各社が公表する内容であり、契約条件や保険始期日によって異なります。実際の保険料や引受可否を保証するものではありません。最終的な契約の判断は各公式サイトの最新情報および約款・重要事項説明書をご確認のうえ行ってください。
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この記事を書いた人

家族でヴォクシーに乗っている、ごく普通の会社員のSaitoです。きっかけは、夜の高速道路で追突された事故でした。保険会社のフリーダイヤルに、15分間つながらなかった。あの時間の長さで、保険は契約書のスペックではなく、いざという場面での対応力で選ぶものだと痛感しました。

それから、主要な自動車保険を10社以上、実際に契約しては乗り換えて、対応を比べてきました。CMで見る「満足度が高い」という数字と、夜間のオペレーターやレッカー手配の速さは、必ずしも一致しません。このサイトでは、事故対応やロードサービス、弁護士特約の使いどころなど、カタログでは分からない部分を、家族を持つドライバーの目線でまとめています。

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