事故有係数適用期間とは?同じ等級で割引率が最大28ポイント変わる仕組み【2026年】

事故有係数適用期間とは、同じ等級でも割引率の低い「事故有」の係数が使われる期間のことです。3等級ダウン事故なら翌年から3年間つきます。11等級では無事故係数-48%に対し事故有係数-20%で、割引率の差は28ポイントに達します(損害保険料率算出機構・2025年4月時点)。

この記事でわかること

  • 等級が同じでも保険料が変わる2つの係数の仕組み
  • 3等級ダウン・1等級ダウンで期間が何年つくかと、上限・下限
  • 等級別の無事故係数と事故有係数の割増引率一覧(7〜20等級)
  • ダメージが最も大きいのは高い等級ではなく中間の等級だという事実
  • 期間を短くする方法はあるのか(減っていく条件)

公的情報源: 損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率」(参照)/同「型式別料率クラスの仕組み」(参照

結論から

等級表を見て「自分は12等級だから割引は50%」と考えると、実際の保険料と合わないことがあります。

理由は、同じ12等級に割引率が2つ用意されているからです。無事故で来た人には-50%、事故を使った人には-22%が使われます。この差を生んでいるのが事故有係数適用期間になります。

つまり事故のダメージは「等級が3つ下がること」だけでは終わりません。下がった等級に、さらに低い割引率が3年間貼りつきます。

この記事の要点
  • 7等級以上は無事故係数と事故有係数の2本立て(6等級以下は1本)
  • 3等級ダウン事故で翌年から3年間、1等級ダウン事故で1年間つく
  • 期間は1年経つごとに1年減る。上限6年・下限0年
  • 割引率の差が最大なのは11〜12等級で28ポイント
  • 17等級以上では差が10ポイント前後に縮む=ダメージの形が等級で違う

事故有係数が付いている間の保険料は、同じ条件で各社を並べると差がはっきり出ます。

目次

事故有係数適用期間とは

事故有係数適用期間とは、割引率の低い「事故有」の係数が適用される残りの年数のことです。

おとなの自動車保険は「自動車保険では、7等級以上の保険料の割増引率が『事故有係数』と『無事故係数』とで異なります」と説明し、事故有係数が適用される期間を事故有係数適用期間と呼んでいます。

2つの係数の関係

  • 無事故係数:保険を使わなかった契約に適用される。割引率が高い
  • 事故有係数:事故で保険を使った翌年から一定期間適用される。割引率が低い

初めて契約する場合の事故有係数適用期間は0年です。事故で保険を使うと、そこに年数が加算されます。

等級制度そのものの全体像は自動車保険の等級制度 完全ガイドで整理しています。

事故有係数適用期間は何年つくか

つく年数は、事故の種類で決まります。

事故の種類別・加算される年数(2026年8月時点)

事故の種類等級の変化事故有係数適用期間
3等級ダウン事故3つ下がる翌年から3年
1等級ダウン事故1つ下がる翌年から1年
ノーカウント事故下がらない加算されない

出典: おとなの自動車保険「事故の種類と等級ダウン」

上限は6年、下限は0年です。3等級ダウン事故を2回起こせば3年+3年で6年に達し、そこで頭打ちになります。

3行目を見落とさないでください。ノーカウント事故は期間に加算されません。三井ダイレクト損保は、人身傷害保険などのみを支払った事故について「翌年の事故有係数適用期間に加算はされません」と明記しています。

同じ事故でも、どの補償を使うかで結果が変わります。自分のケガだけで済んだなら、人身傷害保険を使っても期間は伸びません。詳しくは人身傷害保険とはで扱っています。

事故有係数適用期間で保険料はどれだけ変わるか

同じ等級でも無事故係数と事故有係数で割引率が大きく違う。
図:12等級では-50%と-22%で28ポイントの差がつく(損害保険料率算出機構・2025年4月時点)

ここが数字で見える部分です。損害保険料率算出機構が算出している等級別の割増引率を並べます。

等級別の割増引率(%・損害保険料率算出機構・2025年4月時点)

等級無事故係数事故有係数差(ポイント)
7-27-1413
8-38-1523
9-44-1826
10-46-1927
11-48-2028
12-50-2228
13-51-2427
14-52-2527
15-53-2825
16-54-3222
17-55-4411
18-56-4610
19-57-507
20-63-5112

出典: おとなの自動車保険「事故の種類と等級ダウン」(参照元=損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率改定のご案内」2025年4月時点)

6等級以下に事故有係数の欄がないのは、7等級以上でしか係数が分かれないためです。

事故有係数のダメージが大きいのは中間の等級

割引率の差が最も大きいのは9〜15等級で25〜28ポイントに達する。
図:ダメージが大きいのは高い等級ではなく中間の等級

上の表で、差の列だけを縦に読んでみてください。予想と違う形をしています。

「等級が高い人ほど失うものが大きい」と考えがちですが、割引率の差が最大なのは11〜12等級の28ポイントです。19等級では7ポイントしかありません。

差の大きさが変わる帯

  • 7〜8等級(差13〜23pt):まだ割引が浅く、失う幅も小さい
  • 9〜15等級(差25〜28pt)ここが最も痛い帯。無事故なら-46〜-53%だが事故有だと-19〜-28%
  • 16〜20等級(差7〜22pt):事故有係数の側も-32〜-51%まで下がっており、落差が小さい

意味するところは明快です。10等級前後で3等級ダウン事故を起こすと、割引率が実質的に半分近くまで落ちます。一方で18〜19等級の人は、等級が下がる痛みはあっても、係数による上乗せのダメージは比較的軽く済みます。

保険を使うかどうかを迷う場面では、自分がどの帯にいるかで判断の重みが変わります。中間等級の人ほど、少額の修理で保険を使う判断は慎重にしたほうが計算に合います。

3等級ダウン時の実額は3等級ダウンで保険料はいくら上がるかで等級別に計算しています。

事故有係数が付いている期間は、会社を変えても引き継がれます。だからこそ同じ条件で並べると差が出ます。

事故有の条件のまま各社の保険料を比較する(PR)詳細はリンク先をご確認ください

事故有係数適用期間を短くする方法はあるか

3等級ダウン事故のあと元の等級と無事故係数に戻るまで実質4年かかる。
図:等級の回復と事故有係数適用期間の消化は同時に進む

短縮する手続きはありません。減るのは時間の経過だけです。

期間が減る条件

  1. 保険期間が1年経過するごとに、事故有係数適用期間が1年減る
  2. その1年のあいだに保険を使わなければ、等級も1つ上がる
  3. 期間が0年になった時点で、無事故係数に戻る

途中でもう一度3等級ダウン事故を起こすと、そこに3年が加算されます。上限の6年に達すると、それ以上は増えません。

3年間の動き方(12等級で3等級ダウン事故を起こした場合)

等級適用される係数事故有係数適用期間
事故の年12無事故(-50%)0年
1年目9事故有(-18%)3年
2年目10事故有(-19%)2年
3年目11事故有(-20%)1年
4年目12無事故(-50%)0年

表の1年目に注目してください。等級は12から9へ3つ下がり、同時に係数も無事故から事故有へ切り替わります。-50%だった割引が-18%になるので、体感としては保険料が跳ね上がります。

4年目に元の12等級へ戻り、係数も無事故に戻ります。ここでようやく事故前の水準です。保険を1回使うと、元に戻るまで実質4年かかるという構造になります。

会社を乗り換えても、事故有係数適用期間は引き継がれます。「乗り換えればリセットされる」ということはありません。等級の引き継ぎ全般は自動車保険の乗り換えガイドで扱っています。

保険を使うかどうかの判断に事故有係数をどう織り込むか

判断の式はシンプルです。受け取る保険金と、3年分の増加額を比べます。

織り込む手順

  1. 修理見積もりを取り、免責金額を引いた実際の受取額を出す
  2. 保険会社に使った場合の翌年以降3年分の保険料を試算してもらう
  3. 使わなかった場合の3年分と引き算して増加額の合計を出す
  4. 受取額が増加額を上回るときだけ使う

2番目を自分で概算しないでください。割引率の差はポイントで見ると28ポイントですが、実際の増加額は等級・年齢条件・車種・補償内容で大きく変わります。

当サイトの試算では、3等級ダウン時の3年間の累積負担は約6.6万〜12.3万円規模になります。免責5万円なら、修理費が11.6万円を超えて初めて使う価値が出る計算です。

使わない判断が有利になりやすいケース

  • 9〜15等級にいる:割引率の差が25〜28ポイントと最も大きい帯
  • 修理費が10万円前後:免責を引くと受取額が累積負担を下回りやすい
  • すでに事故有係数適用期間が残っている:加算されて期間がさらに延びる

3番目が見落とされがちです。期間が残っている状態でもう一度使うと、そこに年数が積み増されます。1回目より2回目のほうが、判断は慎重にする必要があります。

よくある質問

事故有係数適用期間について、検索の多い質問を整理します。

Q1:事故有係数適用期間とは何ですか?

割引率の低い「事故有」の係数が適用される残りの年数のことです。自動車保険では7等級以上で無事故係数と事故有係数の2つが用意されており、事故で保険を使うと翌年から一定期間、割引率の低い事故有係数が使われます。初めて契約する場合は0年から始まります。

Q2:事故有係数適用期間は何年つきますか?

3等級ダウン事故なら翌年から3年、1等級ダウン事故なら翌年から1年つきます。上限は6年、下限は0年です。人身傷害保険や弁護士費用特約のみを使ったノーカウント事故では加算されません。

Q3:事故有係数で保険料はどのくらい変わりますか?

等級によって差が違います。損害保険料率算出機構の割増引率では、11等級で無事故係数-48%に対し事故有係数-20%、12等級で-50%に対し-22%と、割引率の差は28ポイントに達します(2025年4月時点)。一方19等級では-57%に対し-50%で、差は7ポイントにとどまります。

Q4:事故有係数適用期間を短くする方法はありますか?

手続きで短縮する方法はありません。保険期間が1年経過するごとに1年ずつ減っていくだけです。期間中に再び保険を使えば年数が加算されるため、確実に減らす方法は「その間に保険を使わないこと」になります。

Q5:保険会社を乗り換えれば事故有係数適用期間はリセットされますか?

リセットされません。事故有係数適用期間は等級と同じく次の契約へ引き継がれます。乗り換え先の会社でも同じ年数が適用されるため、「乗り換えて事故歴を消す」ことはできません。

Q6:等級が高いほど事故有係数のダメージは大きいのですか?

そうとは限りません。割増引率の表を見ると、無事故係数と事故有係数の差が最も大きいのは11〜12等級の28ポイントで、17〜19等級では7〜11ポイントまで縮みます。中間の等級にいる人ほど、保険を使ったときの割引率の落差が大きくなります。

Q7:3等級ダウンした等級は何年で元に戻りますか?

保険を使わなければ4年目に元の等級へ戻ります。等級は毎年1つずつ上がるため3年で回復し、事故有係数適用期間も同じ3年で0年になります。ただし途中でもう一度保険を使うと、等級の回復も期間の消化も後ろにずれます。

まとめ:事故のダメージは等級と係数の二段構え

事故有係数適用期間について、要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 7等級以上は無事故係数と事故有係数の2本立て。同じ等級でも割引率が違う
  • 3等級ダウン事故で3年、1等級ダウン事故で1年。上限6年・下限0年
  • ノーカウント事故は加算されない(人身傷害保険・弁護士費用特約など)
  • 割引率の差が最大なのは11〜12等級で28ポイント(損害保険料率算出機構・2025年4月時点)
  • 17〜19等級では差が7〜11ポイントまで縮む=ダメージの形が等級で違う
  • 短縮する手続きはない。元に戻るまで実質4年かかる

事故で失うのは等級だけだと考えていると、翌年の請求額を見て驚くことになります。等級が3つ下がり、そこにさらに低い割引率が3年間貼りつくという二段構えだからです。

だから保険を使うかどうかは、修理費と3年分の増加額を並べてから決める。この順序を守るだけで、少額の修理で使ってしまう失敗を避けられます。

今の等級と事故有係数適用期間を入れて各社を並べると、条件が同じでも保険料に差が出ます。

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免責事項

※本記事は公開情報をもとにした整理です。割増引率は損害保険料率算出機構が算出する参考純率に基づく数値であり、実際に適用される割引率・保険料は保険会社および契約条件により異なります。参考純率は改定されることがあります。記事中の累積負担の金額は仕組みを説明するための試算で、実際の保険料を示すものではありません。最終的な契約・申込の判断は、各社の約款・重要事項説明書および公式サイトの最新情報をご確認のうえ行ってください。


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この記事を書いた人

家族でヴォクシーに乗っている、ごく普通の会社員のSaitoです。きっかけは、夜の高速道路で追突された事故でした。保険会社のフリーダイヤルに、15分間つながらなかった。あの時間の長さで、保険は契約書のスペックではなく、いざという場面での対応力で選ぶものだと痛感しました。

それから、主要な自動車保険を10社以上、実際に契約しては乗り換えて、対応を比べてきました。CMで見る「満足度が高い」という数字と、夜間のオペレーターやレッカー手配の速さは、必ずしも一致しません。このサイトでは、事故対応やロードサービス、弁護士特約の使いどころなど、カタログでは分からない部分を、家族を持つドライバーの目線でまとめています。

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