車の売却手続きの流れ|査定から名義変更の完了確認まで6ステップ・売る側の必要書類(普通車は実印と印鑑証明書・軽自動車は認印)・費用と戻るお金・かかる日数・個人売買のリスク・売却後にやること【2026年】

車の売却手続きは、査定→売買契約→書類の準備→引き渡し→入金→名義変更の完了確認、の6段階です。売る側の書類は普通車で車検証・発行3か月以内の印鑑証明書・実印を押した譲渡証明書と委任状が軸で、軽自動車は実印も印鑑証明書も要りません。名義変更は引き渡しから15日以内(手数料700円)で、業者に売るなら業者が代行します。

この記事でわかること

  • 売る側が踏む6ステップの順番と、各段階にかかる日数。法律で決まっているのは「名義変更は引き渡しから15日以内」の1つだけ
  • 売る側の必要書類を普通車と軽自動車で分けた2表。印鑑証明書・住民票の有効期限、車検証の住所が違うときの追加書類、納税証明書が要るかどうか
  • 費用と戻るお金・戻らないお金。移転登録700円は買い手側、自動車税と重量税は戻らない、自賠責とリサイクル料金は査定額に上乗せ
  • 業者売却と個人売買の比較。名義変更を誰がやるか、費用、名義変更されないリスクへの備え
  • 名義変更が済んだかを登録事項等証明書(400円)で自分で確かめる方法と、済んでいないと売った側に起こること
  • 売却後にやること。任意保険は解約・車両入替・中断証明書の3分岐、自賠責・ETCカード・駐車場

一次資料: 国土交通省 自動車検査登録総合ポータル「車を売買等により名義変更するために必要な書類」(参照)/同「登録事項等証明書の交付請求」(参照)/軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」(参照)/e-Gov法令検索「道路運送車両法」(参照)/東京都主税局「自動車税|自動車と税金」Q&A(参照)/自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(参照

先に結論から

車の売却手続きは、売る側が動くのは「書類を揃えて引き渡すまで」で、そのあとの名義変更は買い手側の仕事です。業者に売るなら業者が運輸支局へ行き、個人売買なら買主が行きます。売る側に残るのは、名義変更が本当に済んだかの確認と、任意保険の後始末。

書類は、普通車なら車検証・印鑑証明書(発行3か月以内)・譲渡証明書と委任状(実印)・自賠責保険証明書・リサイクル券。軽自動車は印鑑証明書も実印も要らず、車検証と申請依頼書に認印で済みます(軽自動車検査協会)。

お金の面で押さえるのは3点。移転登録の手数料700円は名義変更をする側の費用、自動車税と自動車重量税は売却では戻らない、自賠責の残期間とリサイクル料金相当額は買い手から受け取る、です。

この記事が扱う範囲

  • 扱うのは売る側の手続きです。査定から名義変更の完了確認、売却後の保険までを時系列で並べています
  • 買い手側の登録(移転登録の窓口・車庫証明・ナンバー)は車の名義変更に必要な書類が本体です
  • 買取業者の選び方や査定額の相場は扱いません。手数料は国土交通省の公表値(令和8年4月1日現在)だけを数値にしています

目次

車の売却手続きの流れ|査定から名義変更の完了確認まで6ステップとかかる日数

車の売却手続きは、査定→売買契約→書類の準備→引き渡し→入金→名義変更(移転登録)の完了確認の6段階で進みます。このうち法律で日数が決まっているのは名義変更だけで、新しい所有者が引き渡しから15日以内に申請する義務があります(道路運送車両法13条)。

査定から入金までの日数は業者や相手との約束で決まり、公的な標準はありません。

車の売却手続き6ステップ(売る側の視点・担い手と日数・2026年9月時点)

段階誰がやるか日数の目安根拠・注意点
1 査定売る側(業者に依頼)即日〜数日(業者差)車検証・自賠責保険証明書・リサイクル券の有無で査定に差が出る
2 売買契約売る側と買い手当日引き渡し日・入金日・名義変更の期限・キャンセル条件を書面で確認
3 書類の準備売る側即日〜1週間印鑑証明書・住民票は市区町村窓口で即日。ローン中は所有権解除が先
4 引き渡し売る側契約から数日〜数週間(業者差)車と書類を同時に渡し、受領の控えをもらう
5 入金買い手業者差(契約書の入金日)名義変更前に入金される契約か、名義変更後かを契約書で確認
6 名義変更(移転登録)買い手(業者または買主)引き渡しから15日以内が法定道路運送車両法13条。手数料は窓口700円・OSS600円(国土交通省)
6′ 完了の確認売る側名義変更後いつでも新しい車検証のコピーを受け取るか、登録事項等証明書(400円)を自分で取る

出所: e-Gov法令検索「道路運送車両法」第13条(新所有者は事由があった日から15日以内に移転登録を申請)・国土交通省「登録・検査手数料一覧表」(令和8年4月1日現在)(移転登録 窓口700円・OSS600円/登録事項等証明書 現在証明400円)。査定・引き渡し・入金の日数は業者ごとの約款で決まり、公表された標準値はありません。

15日の起算日は「事由があった日」、つまり車の所有権が移った日です。契約書に引き渡し日を書いておくと、この起算日がはっきりします。業者に売る場合、名義変更は業者が行うので売る側が15日を数える必要はありません。

業者に売るときの流れ|書類を渡して入金を待ち、名義変更の連絡を受け取る

買取業者やディーラーの下取りでは、売る側の仕事は「書類を揃えて車と一緒に渡す」までです。名義変更は業者が運輸支局や軽自動車検査協会で行い、多くの業者は完了後に新しい車検証のコピーや完了通知を送ります。送られてこなければ、こちらから求めて構いません。

契約書で見るのは、入金日と名義変更の予定日です。入金が名義変更の後になる契約なら、名義変更が遅れるほど入金も遅れます。契約前に「入金はいつか」「名義変更はいつまでに済ませるか」を紙で確認。

個人売買のときの流れ|買主が運輸支局へ行く。売る側は書類の期限に注意

個人売買では、買主が自分の住所を管轄する運輸支局で移転登録を申請します。売る側は譲渡証明書・委任状・印鑑証明書を買主に渡すだけですが、印鑑証明書は発行から3か月以内という期限があります(国土交通省)。買主がすぐに動かないと、書類の取り直し。

引き渡し前に、譲渡証明書の譲受人欄と委任状の受任者欄を空欄のまま渡すと、誰の名義にでも書ける紙になります。買主の氏名を確認してから記入するか、その場で買主に書いてもらう形が安全です。書き方の細部は車の名義変更の委任状の書き方で分けています。

車の売却手続きは6ステップ。売る側が動くのは「引き渡し」まで、最後の「確認」だけ売る側に戻る

  • 車を売ると決めたら、この順番で進める
  • 1査定車検証・自賠責保険証明書・リサイクル券を手元に。ローン中なら所有者欄を先に確認
  • 2売買契約引き渡し日・入金日・名義変更の期限・キャンセル条件を書面で
  • 3書類の準備普通車は印鑑証明書(3か月以内)と実印。軽自動車は認印。住所が違えば住民票か戸籍の附票
  • 4引き渡し車・鍵・書類を同時に渡し、受領の控えをもらう
  • 5入金契約書の入金日どおりか確認。名義変更の前後どちらかは契約次第
  • 6名義変更の完了確認買い手が15日以内に移転登録(道路運送車両法13条)。新しい車検証のコピーか、登録事項等証明書400円で自分で確認

図:売却の担い手は「1〜4が売る側、5〜6が買い手、6の確認が売る側」。国土交通省の必要書類と道路運送車両法13条から整理。

車の売却手続きの必要書類|普通車は実印と印鑑証明書・軽自動車は認印で足りる

車の売却手続きで売る側が用意する書類は、普通車が「車検証・印鑑証明書・譲渡証明書・委任状・自賠責保険証明書・リサイクル券」、軽自動車が「車検証・申請依頼書・自賠責保険証明書・リサイクル券」です。普通車は実印、軽自動車は認印。

この差は、普通車の名義変更に譲渡人の実印と印鑑証明書が要る(国土交通省)のに対し、軽自動車検査協会の必要書類にはどちらも無いことから来ています。

普通車を売るときに売る側が用意する書類(国土交通省 移転登録の必要書類・2026年9月時点)

書類有効期限・条件入手先・注意点
自動車検査証(車検証)有効期間内であること車のダッシュボード。電子車検証はICカード本体と記録事項
印鑑登録証明書発行から3か月以内市区町村窓口・コンビニ交付。買主側の申請日で3か月を数える
譲渡証明書譲渡人(売る側)の実印を押す国土交通省の様式。譲受人欄は買主の氏名を確認してから記入
委任状実印を押す。代理人が申請するときに必要業者売却・個人売買で買主が申請するときは事実上必要
自賠責保険証明書車検の残期間に対応した原本車検証と一緒に保管されていることが多い。紛失時は保険会社で再発行
自動車リサイクル券預託済みの証明券がなくても車検証閲覧アプリ・自動車リサイクルシステムで預託状況を確認できる
住民票の写し車検証の住所と印鑑証明書の住所が違うとき住所のつながりが分かるもの。2回以上変わっていれば戸籍の附票
自動車税納税証明書業者が求めたときだけ車検の納税確認は2015年4月から電子化。法定の必要書類ではない

出所: 国土交通省 自動車検査登録総合ポータル「車を売買等により名義変更するために必要な書類」(譲渡証明書は譲渡人の実印・新旧所有者の印鑑登録証明書は発行されてから3か月以内・委任状・自動車検査証は有効期間があること・旧所有者の住所変更は住所のつながりが証明できる住民票等)・自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(支払い状況は車検証閲覧アプリまたは自動車リサイクルシステムで確認)・広島県「車検時における自動車税納税証明書の提示が省略できます」(平成27年4月から納付確認を電子化)

印鑑証明書は「買主が申請する日」から逆算して取る

印鑑証明書の3か月は、発行日から運輸支局に出す日までで数えます。売る側が引き渡しの1か月前に取っていて、買主が申請を2か月半後に延ばすと、そこで切れます。業者売却なら業者が段取りするので心配は要りません。個人売買では、引き渡しの直前に取り、買主に「15日以内に出してください」と期限を伝えます。

車検証の住所と今の住所が違うなら、住民票か戸籍の附票

引っ越しをして車検証の住所変更をしていない車を売るときは、車検証の住所から印鑑証明書の住所までのつながりを示す書面が要ります(国土交通省)。1回の転居なら住民票の写し(前住所の記載あり)、2回以上なら戸籍の附票で全部の履歴をつなぎます。氏名が変わっていれば戸籍謄本も加わります。

車検証の住所が変わっていること自体は、売却の妨げにはなりません。住所変更(変更登録)を先に済ませてから売る必要はなく、移転登録と一緒に処理されます。

納税証明書は「法定の書類」ではない。業者が求めたら出す

自動車税の納税証明書は、国土交通省の移転登録の必要書類には入っていません。車検の納税確認は、普通車が2015年4月、軽自動車が2023年1月から電子化され、紙の提示が原則不要になりました(広島県・軽自動車検査協会)。

ただし買取業者が独自の書類リストで納税証明書を求めることはあります。未納があると電子確認が通らないので、納税が済んでいるかは先に確かめます。納付の仕方は自動車税の納付はいつまでで分けています。

軽自動車を売るときに売る側が用意する書類(軽自動車検査協会・2026年4月13日更新・2026年9月時点)

書類有効期限・条件注意点
自動車検査証(車検証)原本(コピー不可)電子車検証はICカード本体
申請依頼書新使用者以外が申請するときに必要旧所有者・旧使用者欄を記入。様式に押印指示はなく認印で足りる
自賠責保険証明書車検の残期間に対応した原本普通車と同じ
自動車リサイクル券預託済みの証明普通車と同じ。券がなくてもシステムで確認できる
印鑑登録証明書・実印不要協会の必要書類に含まれない
譲渡証明書不要協会の必要書類に含まれない
軽自動車税納税証明書業者が求めたときだけ車検の納税確認は2023年1月から軽JNKSで電子化

出所: 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」(2026年4月13日更新)(自動車検査証は原本・使用者の住所を証する書面は新使用者の住民票または印鑑証明書 発行3か月以内・申請依頼書は新使用者以外が申請する場合・申請手数料 無料)・軽自動車検査協会「継続検査(車検)」(令和5年1月から軽JNKS・納税証明書の提示は原則不要)

軽自動車は、売る側の書類が車検証と申請依頼書の2枚で済み、手数料も無料です。住民票や印鑑証明書が要るのは新しい使用者の側で、売る側には求められません。

車の売却手続きにかかる費用|移転登録700円は買い手側・戻るお金と戻らないお金

車の売却手続きで売る側が払う公的な費用は、印鑑証明書や住民票の交付手数料くらいです。移転登録の手数料700円(窓口。OSSなら600円)は名義変更をする側、つまり買い手が納めます。一方で「戻ると思っていたのに戻らない」お金が2つあり、自動車税と自動車重量税がそれに当たります。

車を売ったときの費用と、戻るお金・戻らないお金(公的な定価と一次資料の扱いのみ・2026年9月時点)

項目誰が払う・誰に戻る金額・扱い出所
移転登録の手数料買い手(名義変更をする側)窓口700円・OSS600円国土交通省 手数料一覧表(令和8年4月1日現在)
軽自動車の名義変更買い手無料軽自動車検査協会
印鑑証明書・住民票の交付手数料売る側市区町村ごとに異なる
名義変更の代行費用売る側(契約による)業者ごとの価格。無料の業者もある
自動車税売った側が1年分を負担4月1日の所有者に1年分が課税。売却しても月割の還付はない。新所有者は翌年度から東京都主税局 Q&A
自動車重量税戻らない還付は解体して永久抹消登録したときだけ国税庁
自賠責保険残期間を買い手へ引き継ぐ車に付いた保険なので解約せず名義を変える。残期間分は査定額に反映されるのが通例損保会社の権利譲渡手続き
リサイクル料金買い手から受け取る車両価値+リサイクル料金相当額(資金管理料金を除く)を受け取る自動車リサイクル促進センター

出所: 国土交通省「登録・検査手数料一覧表」(令和8年4月1日現在)(移転登録 窓口700円・OSS600円)・東京都主税局「自動車税|自動車と税金」Q&A(4月1日現在の所有者に1年分が課税・年度途中で移転登録された場合は前の所有者に1年分が課税され新しい所有者には翌年度から課税)・国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付申請手続」自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(相手方から車両価値金額+リサイクル料金相当額を受け取る・資金管理料金は最初に支払った方の負担)

自動車税は売っても戻らない。「月割で精算」は業者との商慣行

自動車税は、4月1日時点の所有者に1年分が課税され、年度の途中で売っても都道府県からの還付はありません(東京都主税局)。新しい所有者に課税が移るのは翌年度からです。抹消登録(廃車)なら翌月分から月割で戻るので、この違いで混同が起きます。廃車の場合は車の廃車手続きのやり方で分けています。

業者売却で「自動車税の未経過分を精算します」と言われることがありますが、これは業者が査定額に上乗せする商慣行で、税務署や都道府県から戻るお金ではありません。見積書に自動車税相当額の行があるかどうかで扱いが分かります。個人売買では、この精算をするかどうかも当事者で決めます。

自賠責とリサイクル料金は「車に付いて移る」ので、買い手からもらう形

自賠責保険は車ごとに契約する保険で、売却では解約せず保険会社で名義(権利)を買い手へ移します。残期間分の保険料は、査定額や売買代金に上乗せする形で受け取るのが通例です。証明書の扱いは自賠責保険証明書とはで分けています。

リサイクル料金は、自動車リサイクル促進センターの案内どおり、「車両価値金額+リサイクル料金相当額」を相手方から受け取る仕組みです。最初に払ったときの資金管理料金だけは戻りません。業者の見積書に「リサイクル預託金相当額」の行があれば、この分です。

ローンが残っている車は、所有者欄を見てから査定に出す

車検証の所有者欄がディーラーや信販会社になっている車(所有権留保)は、所有者が自分ではないので、そのままでは譲渡証明書を書けません。残債を完済し、所有者から所有権解除の書類(譲渡証明書・印鑑証明書・委任状)をもらってから移転登録に進みます。

業者売却では、業者が残債の一括返済と所有権解除を代行し、査定額との差額を精算する流れが一般的です。査定に出す前に所有者欄を見て、業者に「所有権留保あり」と伝えておくと、書類の往復が減ります。

個人売買の車の売却手続き|業者売却との違いと、名義変更されないリスクへの備え

車の売却手続きを個人売買で行うと、名義変更・自賠責の名義変更・任意保険・車庫証明の4つの手続きを当事者だけで回すことになります。業者売却との一番の違いは、名義変更を買主に委ねる点。ここが済まないと、翌年度の自動車税も違反の通知も、売った側に届き続けます。

業者売却と個人売買の比較(手続きの担い手・費用・リスク・2026年9月時点)

項目業者売却(買取・下取り)個人売買
名義変更をする人業者買主(売る側が運輸支局へ同行することもできる)
売る側が用意する書類業者の書類リストどおり(印鑑証明書・実印・車検証など)国土交通省の必要書類どおり。譲渡証明書と委任状は自分で用意
移転登録の手数料700円業者が負担(契約による)買主が負担するのが通例
代金の受け取り契約書の入金日に振込当事者で決める。現金手渡し・振込・分割など
名義変更の完了通知業者から車検証コピー等が届くことが多い買主に頼まないと届かない
名義変更が遅れるリスク低い(業者は在庫として再登録する)買主次第。放置されると税・違反通知が売る側に来る
売買後の不具合をめぐる争い契約書と業者の規定で処理当事者間で処理。契約書がないと立証が難しい
自賠責・任意保険自賠責は業者が名義変更。任意保険は売る側が手続き自賠責の名義変更も当事者で。任意保険は売る側が手続き

出所: 国土交通省「車を売買等により名義変更するために必要な書類」国土交通省「登録・検査手数料一覧表」(令和8年4月1日現在)。業者の負担範囲・入金日は各社の契約書で決まり、公的な標準はありません。

廃車寸前の車や、動かない車を手放すときは、廃車買取の業者が引き取りと抹消の手続きまで無料で受ける形もあります。手続きごと任せたい場合の実態は廃車ラボの評判・口コミで扱っています。

個人売買で売る側がやること|契約書・書類の期限・引き渡しの控え

個人売買で売る側が押さえるのは次の順番です。

個人売買で車を売るときの手順(売る側)

  1. 売買契約書を作る。車台番号・売買代金・引き渡し日・入金日・名義変更の期限(引き渡しから15日以内)・不具合の扱いを書く
  2. 車検証の所有者欄を確認する。所有権留保なら先に所有権解除を済ませる
  3. 普通車は印鑑証明書を引き渡し直前に取り、譲渡証明書と委任状に実印を押す。軽自動車は申請依頼書に記入
  4. 買主の氏名を確認してから、譲渡証明書の譲受人欄・委任状の受任者欄を埋める(空欄で渡さない)
  5. 入金を確認してから車・鍵・書類を渡し、受領の控え(日付入り)を残す
  6. 買主に自賠責の名義変更と車庫証明を依頼し、名義変更が済んだら車検証のコピーを送ってもらう約束をする
  7. 15日を過ぎても連絡がなければ、登録事項等証明書で自分で確認する(次の章)

代金の受け取りを名義変更の後にする契約は、買主が動く動機になります。ただし全額を後回しにすると、今度は代金の回収が売る側のリスク。入金は引き渡し時、名義変更の完了で残りの一部を渡す、という分け方も選べます。

名義変更が済まないまま事故や違反があると、売った側にも責任が及ぶ可能性がある

名義変更が済んでいない間の事故は、車検証上の所有者である売った側が「運行供用者」として賠償責任を問われる可能性があります。自動車損害賠償保障法3条が損害賠償責任を負わせるのは「自己のために自動車を運行の用に供する者」。

引き渡しが済んでいれば実際の運行は買主が支配しているので、売った側が責任を負うかどうかは個別の事情で判断されます。断定はできませんが、名義が残っている限り争いに巻き込まれる入口が開いたままです。

違反の通知も同じです。駐車違反の放置違反金や、オービスの通知は車検証の所有者・使用者宛に届きます。名義変更の期限を契約書に書き、引き渡しの控えを残しておくのは、この場面で「いつ手放したか」を示すためでもあります。

業者売却と個人売買は「名義変更を誰がやるか」で売る側のリスクが変わる

業者に売る
名義変更
業者が運輸支局へ。完了通知が届くことが多い
売る側の書類
業者のリストどおり。譲渡証明書・委任状は業者が用意した様式に実印
手数料700円
業者負担が通例
残るリスク
入金日と名義変更予定日の確認漏れ
個人に売る
名義変更
買主が15日以内に。売る側は完了を自分で確かめる
売る側の書類
国土交通省の必要書類を自分で用意。印鑑証明書は3か月以内
手数料700円
買主負担が通例
残るリスク
名義が残ると翌年度の自動車税・違反通知・事故時の争いが売る側に

図:道路運送車両法13条の申請義務は新所有者にある。売る側の備えは「契約書・引き渡しの控え・完了確認」の3点。

車の名義変更が完了したか確認する方法|登録事項等証明書400円と、済んでいないときに起こること

車の売却後に名義変更が済んだかは、運輸支局で「登録事項等証明書(現在記録)」を取れば400円で確認できます(国土交通省)。業者や買主からの連絡を待たなくても、売った側が自分で取れる書類です。軽自動車は軽自動車検査協会の「検査記録事項等証明書」が同じ役割をします。

登録事項等証明書の取り方|本人確認書類・請求理由・ナンバー全部と車台番号下7桁

請求に要るのは、申請書(第3号様式)・手数料納付書・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)で、何のために必要かという請求事由を具体的に書きます(国土交通省)。ナンバープレートの文字と数字の全部と、車台番号の下7桁が要るので、売る前に車検証のコピーを1枚残しておくと迷いません。

  • 現在登録証明書: 今の登録事項が分かる。400円。売却後の確認はこれで足りる
  • 詳細登録証明書: 新規登録からの履歴が分かる。1,200円(2枚目以降1枚400円)
  • 請求先: 最寄りの運輸支局等。郵送請求では住民票など(30日以内に作成)の添付が要る

所有者欄が買主(または業者)の名前に変わっていれば、名義変更は完了しています。売った側の名前のままなら、次の表のとおり。

名義変更が済んでいないと売った側に起こること(一次資料の扱いと対処・2026年9月時点)

起こること根拠売った側の対処
翌年度の自動車税の納税通知書が届く4月1日の登録上の所有者に課税(東京都主税局)買主・業者に移転登録を催促。都税事務所等に譲渡の事実を相談
駐車違反の放置違反金・違反通知が届く車検証の使用者・所有者宛に通知契約書と引き渡しの控えで手放した日を示す
人身事故で運行供用者として請求される可能性自動車損害賠償保障法3条引き渡し済みの証拠(契約書・受領の控え)を保管。争いになれば弁護士等へ
買主が15日を過ぎても申請しない道路運送車両法13条・109条(50万円以下の罰金は申請義務者)書面で催促。応じなければ内容証明で期限を切る
買主と連絡が取れない登録事項等証明書で現状を確認し、都道府県税事務所と警察に事情を記録として残す

出所: 東京都主税局「自動車税|自動車と税金」Q&A(譲り受けたのに納税通知書が届かない=移転登録がされていないと譲った方に引き続き課税・手続されないと来年度以降も課税)・e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」第3条e-Gov法令検索「道路運送車両法」第13条・第109条国土交通省「登録事項等証明書の交付請求」(申請書・手数料納付書・本人確認書類・請求の事由・ナンバー全部と車台番号下7桁・現在登録証明書400円・詳細登録証明書1,200円)

東京都主税局は「移転登録がされていない場合、譲った方に引き続き課税され、このまま手続されないと来年度以降も課税となる」と案内しています。名義が残っている限り、税は毎年売った側に来ます。催促は早いほど書類の期限(印鑑証明書の3か月)に間に合います。

車を売却した後にやること|任意保険は解約・車両入替・中断証明書の3分岐

車を売却した後に売る側がやるのは、任意保険の手続き・ETCカードと車載器の確認・駐車場の解約・ナンバーに紐づくサービスの解除です。自賠責は買い手へ名義が移るので売る側の手続きはありません。任意保険だけは自動では止まらないので、次の車があるかどうかで3つに分かれます。

売却後の任意保険の3分岐(次の車の有無で決まる・2026年9月時点)

状況手続きポイント
次の車に乗り換える車両入替納車日に合わせて契約車両を変更。等級はそのまま
当分車に乗らない中断証明書を取って解約等級を10年保存。譲渡・廃車などの中断事由に売却も含まれる
今後も車に乗らない・家族も使わない解約解約日以降の保険料は返戻。等級は失う

出所: 中断証明書の有効期限10年と申請期限は自動車保険の中断証明書の期限にまとめています。返戻金の計算・解約日の決め方は保険会社の約款で異なります。

車を売却した後のチェックリスト(売る側)

  1. 任意保険: 車両入替・中断証明書・解約のどれかを引き渡し日に合わせて手続き。引き渡し前に解約すると引き渡しまでの運転が無保険になる
  2. 自賠責: 買い手が名義変更(権利譲渡)。証明書の原本を車と一緒に渡したか確認
  3. ETCカード: 車載器から抜く。車載器のセットアップ情報は車に残るので、カードだけ手元に
  4. 駐車場: 月極の解約は契約書の予告期間(1か月前など)を確認。車庫証明の返納は不要
  5. ナンバーに紐づくサービス: ドライブレコーダーのクラウド・カーシェア登録・高速の割引登録などを解除
  6. 名義変更の完了確認: 車検証のコピーを受け取る。届かなければ登録事項等証明書(400円)
  7. 書類の控え: 契約書・引き渡しの受領書・車検証のコピーを翌年度の自動車税の時期(5月)まで保管

売却後の任意保険は「次の車があるか」で3つに分かれる

  • 車を売った(引き渡し日が決まった)
    • 次の車がある → 車両入替納車日に契約車両を切り替える。等級・保険期間はそのまま。引き渡しと納車の間が空くなら保険会社に相談
    • 当分乗らない → 中断証明書+解約等級を10年保存。家族が引き継ぐこともできる。申請期限は解約日から13か月以内が代表的(5年の会社もある)
    • もう乗らない → 解約解約日以降の保険料が返戻。等級は消える。引き渡し日より前に解約しない

図:自賠責は車と一緒に買い手へ移るので売る側の手続きは不要。任意保険だけが売る側に残る。

よくある質問

Q1:車の売却手続きの流れはどうなりますか?売る側は何をすればいいですか?

査定→売買契約→書類の準備→引き渡し→入金→名義変更の完了確認、の6段階です。売る側が動くのは引き渡しまでで、名義変更(移転登録)は買い手側が行います。業者に売るなら業者が運輸支局へ行き、個人売買なら買主が自分の住所を管轄する運輸支局で申請します。法律で日数が決まっているのは名義変更だけで、新しい所有者が引き渡しから15日以内に申請する義務があります(道路運送車両法13条)。

査定から入金までの日数は業者や相手との契約で決まり、公的な標準はありません。売る側に最後に残るのは、名義変更が済んだかの確認と、任意保険の手続きです。

Q2:車を売るときに必要な書類は何ですか?普通車と軽自動車で違いますか?

普通車は、車検証・発行3か月以内の印鑑登録証明書・実印を押した譲渡証明書と委任状・自賠責保険証明書・リサイクル券です(国土交通省 移転登録の必要書類)。車検証の住所と今の住所が違うときは、つながりを示す住民票の写し(2回以上の転居なら戸籍の附票)が加わります。軽自動車は車検証と申請依頼書に認印で足り、印鑑証明書も実印も譲渡証明書も要りません(軽自動車検査協会・2026年4月13日更新)。自動車税の納税証明書は法定の必要書類ではありませんが、買取業者が独自に求めることはあります。

Q3:車の売却手続きにかかる費用はいくらですか?

売る側が払う公的な費用は、印鑑証明書や住民票の交付手数料くらいです。移転登録の手数料は窓口700円・OSS600円(国土交通省・令和8年4月1日現在)ですが、これは名義変更をする側=買い手が納めます。軽自動車の名義変更は無料です。業者に名義変更の代行費用を払うかどうかは契約によります。戻らないお金として押さえるのは、自動車税(4月1日の所有者に1年分・売却では月割還付なし=東京都主税局)と自動車重量税(還付は解体して永久抹消したときだけ=国税庁)。自賠責の残期間とリサイクル料金相当額は、査定額や売買代金に上乗せして買い手から受け取る形です。

Q4:車を売却したら自動車税は戻ってきますか?

都道府県からの還付はありません。自動車税は4月1日時点で車検証に登録された所有者に1年分が課税され、年度の途中で移転登録されても前の所有者に1年分、新しい所有者には翌年度から課税されます(東京都主税局)。業者売却で「未経過分を精算する」と言われるのは、業者が査定額に上乗せする商慣行で、税として戻るお金ではありません。抹消登録(廃車)なら翌月分から月割で還付されるので、売却と廃車では扱いが違います。名義変更が済んでいないと翌年度も売った側に納税通知書が届くので、完了確認まで気を抜けません。

Q5:個人売買で車を売るとき、名義変更は誰がいつまでにやりますか?

買主が、車を引き渡した日から15日以内に、買主の住所を管轄する運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)で行います(道路運送車両法13条)。申請をしない・虚偽の申請をした場合の50万円以下の罰金(109条)も申請義務者である買主にかかります。売る側が渡すのは譲渡証明書・委任状・印鑑証明書(発行3か月以内)で、譲受人欄と受任者欄は買主の氏名を確認してから記入。契約書に名義変更の期限を書き、引き渡しの受領の控えを残しておくと、遅れたときに催促の根拠になります。完了したら車検証のコピーを送ってもらう約束も忘れずに。

Q6:車を売った後、名義変更が済んだかどうかはどうやって確認しますか?

運輸支局で「登録事項等証明書(現在登録証明書)」を請求すれば、400円で今の所有者が分かります(国土交通省)。必要なのは申請書(第3号様式)・手数料納付書・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)と、具体的な請求の事由です。ナンバープレートの文字と数字の全部と車台番号の下7桁が要るので、売る前に車検証のコピーを残しておきます。軽自動車は軽自動車検査協会の検査記録事項等証明書が同じ役割です。業者売却なら完了後に車検証のコピーや通知が届くことが多いので、届かなければまず業者に求め、それでも確認できないときに自分で取ります。

Q7:車を売却したら任意保険はどうすればいいですか?

次の車があるかどうかで3つに分かれます。乗り換えるなら「車両入替」で納車日に契約車両を切り替え、等級はそのまま。当分乗らないなら「中断証明書」を取ってから解約すると、等級を10年保存できます。今後も乗らないなら解約で、解約日以降の保険料が返戻され、等級は消えます。どの場合も、引き渡し日より前に解約しないことです。引き渡しまでの運転が無保険になります。自賠責は車に付いた保険なので売る側の手続きはなく、買い手が名義(権利)を移します。

参考にした一次資料

まとめ:車の売却手続きは「書類を揃えて引き渡す」まで。名義変更の完了確認と任意保険だけ売る側に残る

車の売却手続きは、査定→売買契約→書類の準備→引き渡し→入金→名義変更の完了確認、の6段階です。売る側が動くのは引き渡しまでで、名義変更は業者か買主が引き渡しから15日以内に行います(道路運送車両法13条)。手数料の窓口700円は名義変更をする側の費用です。

書類は、普通車が車検証・印鑑証明書(3か月以内)・実印を押した譲渡証明書と委任状・自賠責保険証明書・リサイクル券。軽自動車は車検証と申請依頼書に認印で済み、印鑑証明書も実印も要りません。車検証の住所が古ければ住民票か戸籍の附票を足します。

お金は、自動車税と自動車重量税が戻らず、自賠責の残期間とリサイクル料金相当額を買い手から受け取る形。名義変更が済んだかは登録事項等証明書(400円)で自分で確かめられ、済んでいないと翌年度の自動車税も違反通知も売った側に届きます。最後に任意保険を、車両入替・中断証明書・解約のどれかで片づけて終わりです。

この記事のまとめ

  • 6ステップのうち法律で日数が決まるのは名義変更だけ(引き渡しから15日以内・道路運送車両法13条)。査定〜入金は契約で決まる
  • 普通車の売る側の書類=車検証・印鑑証明書(3か月以内)・譲渡証明書と委任状(実印)・自賠責証明書・リサイクル券。住所が違えば住民票か戸籍の附票
  • 軽自動車の売る側の書類=車検証と申請依頼書(認印)。印鑑証明書・実印・譲渡証明書は不要(軽自動車検査協会)
  • 移転登録700円(OSS600円)は買い手側の費用。自動車税は4月1日の所有者に1年分で売却では戻らない(東京都主税局)。重量税も戻らない
  • 自賠責の残期間とリサイクル料金相当額は査定額に上乗せして受け取る。「自動車税の精算」は業者の商慣行で税の還付ではない
  • 名義変更の完了は登録事項等証明書(現在記録400円・本人確認書類と請求事由・ナンバー全部と車台番号下7桁)で自分で確認できる
  • 売却後は任意保険を車両入替・中断証明書・解約の3分岐で処理。引き渡し日より前に解約しない

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免責事項

※本記事は国土交通省 自動車検査登録総合ポータル・軽自動車検査協会・e-Gov法令検索の現行条文・東京都主税局・国税庁・自動車リサイクル促進センターの公開資料をもとにした整理です(2026年9月時点)。査定から入金までの日数、名義変更の代行費用、自動車税やリサイクル料金の精算の有無は業者や契約ごとに異なり、本記事では公的な定価と一次資料の扱いだけを数値にしています。名義変更が完了していない間の事故や違反の責任は個別の事情で判断されるため、争いになった場合は弁護士など専門家にご相談ください。法令・手数料は改定されることがあるため、実際の手続きは運輸支局・軽自動車検査協会・都道府県税事務所の案内でご確認ください。

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この記事を書いた人

家族でヴォクシーに乗っている、ごく普通の会社員のSaitoです。きっかけは、夜の高速道路で追突された事故でした。保険会社のフリーダイヤルに、15分間つながらなかった。あの時間の長さで、保険は契約書のスペックではなく、いざという場面での対応力で選ぶものだと痛感しました。

それから、主要な自動車保険を10社以上、実際に契約しては乗り換えて、対応を比べてきました。CMで見る「満足度が高い」という数字と、夜間のオペレーターやレッカー手配の速さは、必ずしも一致しません。このサイトでは、事故対応やロードサービス、弁護士特約の使いどころなど、カタログでは分からない部分を、家族を持つドライバーの目線でまとめています。

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