自賠責保険の料金は2026年11月1日から改定されます。自家用乗用自動車の24か月契約(離島および沖縄県を除く地域)は17,650円から18,560円へ、910円の引上げです。全車種平均では6.2%の引上げになります。新料率が適用されるのは、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約からです。
この記事でわかること
- 2026年11月1日からの新しい料金と現行料金(金額つき)
- どの契約から新料率になるかの境目(契約日ではなく保険期間の開始日)
- 13年ぶりの引上げがなぜ必要になったか(滞留資金という仕組み)
- 引上げの内訳(純保険料率と社費・代理店手数料の比率)
- 自賠責の料金を安くする方法はあるのか
公的情報源: 損害保険料率算出機構「【自賠責保険】基準料率届出のご案内」(参照)/国土交通省「自動車損害賠償保障制度(自賠責)」(参照)
結論から
自賠責保険の料金は、保険会社を変えても1円も変わりません。国が関与して決める基準料率がそのまま使われるからです。
だから「どこで入るか」を考える意味がありません。代わりに効くのはいつ入るかだけになります。2026年11月1日を境に、自家用乗用自動車の24か月契約で910円変わります。
車検の時期に幅があるなら、10月中に済ませるかどうかで支払額が変わります。
- 自家用乗用自動車24か月は17,650円→18,560円(+910円・+5.2%)
- 全車種平均では6.2%の引上げ(車種・保険期間で改定率は違う)
- 境目は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約
- 引上げの内訳は純保険料率+1.9%/社費と代理店手数料+4.3%
- 自賠責の料金は保険会社で変わらない=比較する余地がない
自賠責は下げられませんが、任意保険は条件次第で変わります。同じ補償で並べると差が出ます。
自賠責保険の料金はいくらか

損害保険料率算出機構は2026年4月30日、金融庁長官に対して自賠責保険の基準料率変更にかかる届出を行いました。
自家用乗用自動車の基準料率(24か月契約・離島および沖縄県を除く地域)
| 保険期間の開始 | 基準料率 | 現行との差 |
|---|---|---|
| 2026年10月31日以前 | 17,650円 | ― |
| 2026年11月1日以降 | 18,560円 | +910円(+5.2%) |
出典: 損害保険料率算出機構「【自賠責保険】基準料率届出のご案内(2026年4月30日金融庁長官への届出)」
自賠責保険基準料率は全車種平均で6.2%の引上げです。改定率は契約条件(車種・保険期間等)によって異なるため、軽自動車やバイク、12か月・36か月の契約では上の金額とは違う数字になります。
車種別・期間別の金額は、損害保険料率算出機構が公表している自賠責保険基準料率表で確認できます。
なぜ会社を比べても同じなのか
自賠責保険は、すべての車に加入が義務づけられている強制保険です。料率は損害保険料率算出機構が算出し、金融庁長官への届出を経て使われます。
そのためどの保険会社で契約しても料金は同じです。任意保険のように見積もりを取って比べる意味がありません。
自賠責と任意保険の役割の違いは自賠責保険と任意保険の違いを徹底比較で整理しています。
自賠責保険の料金が変わる境目は「保険期間の開始日」

ここを間違えると数百円単位で読み違えます。基準になるのは契約した日ではありません。
損害保険料率算出機構は「新料率は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に適用されます」としています。
どちらの料率になるか
| ケース | 適用される料率 |
|---|---|
| 10月20日に契約し、保険期間が10月25日から始まる | 現行(17,650円) |
| 10月20日に契約し、保険期間が11月5日から始まる | 新料率(18,560円) |
| 11月5日に契約し、保険期間が11月5日から始まる | 新料率(18,560円) |
2行目が落とし穴です。10月中に手続きを済ませても、保険期間の開始が11月なら新料率になります。
車検で自賠責を更新する場合、保険期間は現在の自賠責の満了日から続くのが通常です。満了日が11月以降なら、10月中に車検を受けても新料率が適用されます。
前倒しに意味があるか
前倒しで車検を受ければ、自賠責の保険期間も前倒しになります。ただし車検の有効期間は前倒しした分だけ短くなることがあるため、910円のために日程を大きく動かす価値は高くありません。
もともと10月から11月にかけて車検の予定があるなら、10月側に寄せるという程度の判断になります。
車検費用の全体像は車検費用の内訳は3つで扱っています。
自賠責保険の料金が上がる理由
13年ぶりの引上げになった理由は、届出の資料に書かれています。要点は「安くしすぎていた分の揺り戻し」です。
滞留資金という仕組み
2023年4月に自賠責の純保険料率は引下げ改定されました。このとき使われたのが滞留資金です。
損害保険料率算出機構の説明によれば、2022年度末時点の滞留資金7,239億円を引下げファンドに使用する前提で、収支が均衡するように現行の純保険料率が算出されていました。
そのため現行料率は、純保険料率の収支が均衡する水準より3割程度安く設定されていたとされています。
何が変わったか
- 滞留資金が減った:保険金の支払いが進み、2025年度末時点で残高が約2,000億円減少
- 事故は緩やかに減少している:それでも収支の均衡には足りない
- 物価・賃金が上昇した:契約の締結・管理、保険金の支払い、ITシステムの費用が上がった
つまり値上げの主因は事故の増加ではありません。安く据え置くための原資が尽きたことと、運営コストの上昇です。
自賠責保険の引上げの内訳

6.2%という数字は、性質の違う2つの引上げが合わさったものです。
引上げの内訳(現行料率の構成割合に基づく計算値)
| 区分 | 引上げ率 | 中身 |
|---|---|---|
| 純保険料率 | +1.9% | 保険金の支払いに充てられる部分 |
| 社費と代理店手数料 | +4.3% | 契約の管理・支払い事務・ITシステム・代理店手数料 |
出典: 損害保険料率算出機構「【自賠責保険】基準料率届出のご案内」
注目すべきは、引上げ幅が大きいのは保険金の部分ではなく運営コストの部分だという点です。
同じ資料には、2024年度に実施した経費計算基準の見直し(デジタル活用・業務効率化等を反映)によって支出社費が150億円程度削減されたとも書かれています。それでも収支の均衡には3.8%の引上げが必要で、代理店手数料の77円引上げと合わせて4.3%になったという説明です。
削減はしたが、物価・賃金の上昇がそれを上回った、という構図になります。
自賠責が上がる分、任意保険の側で調整できるかを確認しておくと、車の固定費の増加を吸収できます。
補償条件を揃えて各社の保険料を比較する(PR)詳細はリンク先をご確認ください
自賠責保険の料金を安くする方法はあるか
結論から言うと、ほぼありません。できるのは契約期間の取り方だけです。
検討できる余地
- 長い契約期間を選ぶ:24か月と12か月では、1か月あたりの単価が24か月のほうが安い
- 車検の残存期間に合わせる:中途半端な期間で契約すると割高になりやすい
- 解約して返戻を受ける:廃車・抹消登録をした場合は残期間に応じた返戻がある
⚠️ 保険会社を変えても、代理店を変えても、料金は同じです。「自賠責が安いところ」を探す時間は、任意保険の比較に回したほうが金額として大きく返ってきます。
動かせるのは任意保険のほう
自賠責が910円上がるなら、任意保険で吸収できるかを見るのが実際的です。任意保険は会社によって同じ補償でも保険料が変わります。
見直しの効きやすい項目は決まっています。
- 年齢条件・運転者限定:家族構成が変わっていれば見直す
- 使用目的・走行距離:通勤からレジャーに変わっていれば申告を直す
- 車両保険の付け方:車の時価が下がっていれば免責金額や型を見直す
- 重複している特約:他の保険と重なっている補償を外す
具体的な下げ方は自動車保険を安くする割引・特約の極意で整理しています。
自賠責保険で足りない部分
料金の話とあわせて押さえておきたいのが、補償の範囲です。
自賠責保険は対人賠償のみを対象とする強制保険です。相手のケガや死亡に対する最低限の補償で、次のものは対象外になります。
自賠責では補償されないもの
| 対象 | 自賠責 | 任意保険で備える |
|---|---|---|
| 相手のケガ・死亡 | 補償される(上限あり) | 対人賠償で上乗せ |
| 相手の車・物 | 対象外 | 対物賠償 |
| 自分のケガ | 対象外 | 人身傷害保険・搭乗者傷害 |
| 自分の車 | 対象外 | 車両保険 |
自賠責の支払限度額を超える賠償は、自分で負担することになります。人身事故では1億円を超える判決も出ており、自賠責だけで足りる想定は現実的ではありません。
自分のケガに対する備えは人身傷害保険とはで扱っています。
よくある質問
自賠責保険の料金について、検索の多い質問を整理します。
Q1:自賠責保険の料金はいくらですか?
自家用乗用自動車の24か月契約(離島および沖縄県を除く地域)は、2026年10月31日以前に保険期間が始まる契約で17,650円、2026年11月1日以降に始まる契約で18,560円です。車種や保険期間によって金額は異なります。
Q2:自賠責保険はいつから値上がりしますか?
2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約からです。契約した日ではなく保険期間の開始日が基準になるため、10月中に手続きをしても保険期間の開始が11月なら新料率が適用されます。
Q3:自賠責保険はどのくらい値上がりしますか?
全車種平均で6.2%の引上げです。自家用乗用自動車の24か月契約では910円(5.2%)の引上げになります。改定率は車種・保険期間によって異なるため、軽自動車やバイクでは別の数字になります。
Q4:自賠責保険が値上がりする理由は何ですか?
2023年度に引下げとなった現行料率には、過去の契約から発生した滞留資金の一部が充てられており、収支が均衡する水準より3割程度安く設定されていました。この滞留資金が保険金の支払いによって使われてきたことに加え、物価・賃金の上昇で運営コストが上がったため、収支を均衡させる引上げが必要になりました。
Q5:自賠責保険は保険会社によって料金が違いますか?
違いません。自賠責保険は強制保険で、損害保険料率算出機構が算出し金融庁長官への届出を経た基準料率が使われます。どの保険会社で契約しても同じ金額です。比較する余地があるのは任意保険のほうになります。
Q6:自賠責保険を安くする方法はありますか?
会社を選んで安くする方法はありません。できるのは契約期間の取り方だけで、24か月契約は12か月契約より1か月あたりの単価が安くなります。廃車や抹消登録をした場合は、残りの期間に応じた返戻を受けられます。
Q7:自賠責保険だけで足りますか?
足りません。自賠責保険は相手のケガや死亡に対する対人賠償のみが対象で、支払限度額も定められています。相手の車や物、自分のケガ、自分の車はいずれも対象外です。人身事故では1億円を超える賠償になることもあるため、任意保険で上乗せする前提で考えてください。
まとめ:自賠責の料金は「いつ始まるか」だけで決まる
自賠責保険の料金について、要点を整理します。
- 自家用乗用自動車24か月は17,650円→18,560円(+910円・+5.2%)
- 全車種平均で6.2%の引上げ。車種・期間で改定率は違う
- 境目は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約(契約日ではない)
- 理由は滞留資金の枯渇と運営コストの上昇。事故の増加ではない
- 内訳は純保険料率+1.9%/社費と代理店手数料+4.3%
- 会社を選んでも金額は同じ=比較の余地は任意保険にある
自賠責は、選ぶ余地のない固定費です。動かせるのは任意保険の側だけになります。
910円の増加を気にするなら、同じ時間を任意保険の見直しに使ったほうが金額として返ってきます。補償条件を揃えて並べれば、年単位で数千円から数万円の差が出ることも珍しくありません。
自賠責の増加分を吸収できるかは、任意保険を同じ補償条件で並べると1回で見えます。
今の条件で各社の保険料を無料で比較する(PR)詳細はリンク先をご確認ください
あわせて読みたい
免責事項
※本記事は公開情報をもとにした整理です。自賠責保険の基準料率は改定されることがあり、実際に適用される料率は契約の開始時期・車種・保険期間・地域により異なります。記事中の金額は自家用乗用自動車の24か月契約(離島および沖縄県を除く地域)の例です。個別の金額は損害保険料率算出機構の自賠責保険基準料率表および契約する保険会社の案内をご確認ください。

